ただ、愛してるlove.14
―キーンコーンカーンコーン
あああ、休み時間…。
昨日までのあたしなら、いつ授業が終わるか時計の針ばかりを気にしてた。
けれど、今日は明らかに違う。
授業が終わる頃になると、ため息ばかりついてた。
理由は、、、
昨日の「大沢未来と大沢太陽が結婚している」(バカ兄のまったくのうそ)という話が全学年に広まったのだ!
だから、休み時間になると、あたしを一目見ようと一気に他クラス、2年、3年の人が押し寄せて来るのだ!
高校生で結婚しているのも大問題な上、その相手が、まだ転入して数ヶ月しか立ってないのにも関わらず、プリンスの人気レベルまで上がっている「大沢太陽」なのだから。
お父さんの仕事の都合でここに引越してきた大沢家。
あたしは運良く、高1からこの学校でスタートできたけど、お兄ちゃんは、高2からこの学校でスタートするという中途半端な形になった、のにも関わらずすぐに有名になるとは、それなりの魅力があるのかな、、
って違う違う。
とにかくあたしは今、すごい困った立場。
バカ兄のこと気になってたらしい人、好きだったらしい人、ただの好奇心で見に来た人などで、休み時間になると廊下が人だかりでいっぱいだった。
「あの子ー?太陽くんの相手ってー」
「大沢未来ってゆーらしーよ」
「つか、意外ー。太陽くんってあーゆーのタイプー?」
「へー、あの子なんだ〜!」
「高校生で結婚とか、ドラマ見すぎじゃない?」
「太陽くん取られた〜」
「いいな〜あの子羨ましい」
「うちも太陽くんのお嫁さんになりたーいー!」
色んなたっくさんの人の声が、会話が聞こえてくる。
あーもううんざり!
ここまで広まったら、もう事実言っても信じてくれないだろうな。
「未来、大丈夫?」
ともが心配したようにあたしの顔を覗き込む。
大丈夫じゃない、けど、、、
「、、大丈夫☆けっこう人すごいねー」
むりして、平気なフリをした。
大丈夫なわけない。
だって、これって、まったく同じなんだもん…
中学の入学式の翌日の光景と。
大沢太陽の妹だと全学年に広まって、まったくこの状況だった。
今も、、お兄ちゃんに比べて、あたし足りたいんだ、、
もうバカ兄のやろー
家帰って待ってろ!苦笑
「未来、帰り時間ある?」
突然、桜からの誘い。
もちろんイエス!
「うん☆」
少しだけ、桜の表情が真剣だったように見えた。
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