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曲がり角の気持ち 3

[265]  湯島 朗  2006-03-18投稿
 その夜。
「由成ぃ!!お友達から電話よぉ!2階にまわすわね!!」
「わかった。」
『もしもし?』
「あー。実奈か。どしたの?」
『どしたのじゃないわよ!!聞いて!スクープ!今日ね、尾高が3組の超美人で有名な「さつき野
 彩香」に告白されたんだって!!!』
 由成は、ドキッした。昼間に言われた、あの一言。
――――――――――尾高は一応モテてんだから。
「・・・いない。」
『え?』
「私には、関係ない!!!」
 実奈にそう怒鳴ると、電話を一方的に切った。
「関係ないのにっ・・・。」
 後から溢れてくる涙は、どうしようもなかった。


 プルルルルルルッ
 雄の家でも、電話が鳴った。
「もしもし。」
『雄!!!』
 キーンと響く声がした。
「なっ。誰だよ!」
『この声聞いて、わかんねーのか!?俺だ!!悟だ!!』
「あー。なんだよ。」
『なんだよ。じゃねーよ!!てめー、どうすんだ。』
「何がだよ。」
『何がだよ。って、鈍すぎだ!!このスカタン!』
 悟が言いたい事はわかっていた。わかっていたが、わからないふりをした。
『とりあえず、相手が何であろうと俺は許さない。今までやってきた事は、水の泡になりかねない 
 からな。』
「水の泡ってお前なぁ。」
 雄は、あきれた様に返事を返す。
「俺の好きにするよ。」
『おいっ!雄!!』
 雄も、一方的に切った。
「さてとっ・・・。」

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