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LOVE SONG

[292]  2006-03-18投稿
  第一話 
 
 今日も私は、教室のいつもの席に座り、外をボーッと眺めながらいつもと同じ事を考えている。


 これから先どぅ生きていくか。


 声がでなけりゃ、話せない。なにより歌うことが出来ない。どんなに口を大きく開けても、声は出ない。


 もぅ、ヤダよ・・・。こんな生活。


 学校に来ても楽しくない。話せないもの。大好きだった音楽の授業だって、演奏くらいしか出来ないもの。


 歌えないもの・・・。


 こんなことを考えているうちに授業は終了。6時間目が始まろうとしている。


 そんな時、彼は来た・・・―――。


 「君が、斉藤さん?」
 亜美はハッとして、話しかけてきた男の子の方を見る。
 「あっ!やっぱりそうだ。頭いいって皆言うから見に来てみた。俺、伊藤梓ってんだ」
 机から、教科書を出して、教室を出ようとする亜美。
 「あぁっ!ま、まって」
 亜美、立ち止まる。
 「今日、一緒に帰んない?」


 はっ・・・―――?


 一緒にって・・・。


 「じゃ、放課後玄関とこで待ってるから」
 と、言って梓は教室を出て行った。
 

 「勝手に決めないでよ!」って、言いたい。


 でも、言えない・・・。


 仕方ない・・・


 行かなかったら、可哀想だし・・・―――\r
 

 この出会いが、私に生きがいをくれた彼との出会いだった・・・―――。
 

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