携帯小説!(PC版)

[153]  もも  2007-10-10投稿
産まれた場所を遠く離れ、新しい場所で一度枯れてしまった華を、もう一度咲かそうとした。でも空も雲も風も水も光も違う大地では根付く事が出来ない。どれ程の時間と心と想いを注いでも、華も咲かず枯れてしまう。その内に自分自身も枯れてしまう。枯れてしまった華を咲かそうとしていた筈なのに、いつの間にか枯れてしまっていた自分自身に華を咲かそうと。自分自身の想い描く華の、色も形も香りさえも、時間と共に忘れ、かけら程の記憶も無くなってしまったのに。今はもう咲かせたい、咲かそうとした華は、自分自身の体中から消えてしまった。いつの間にか華の美しさではなく、華の温かさを求めていただけだった。それに気付いた時、瞳に映る華を咲かせる事を辞めた。瞳の中に映す華より、心の中の大地に咲く華を選んだ。自分自身の中だけじゃなく時間も場所も関係なく、全てを温かく包み込む華を。いつの日にか、咲かせる華を想いながら今を生きる。心の華が枯れないように、消えてしまわないように。独り、この時間、この場所で。華を咲かすために。

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