携帯小説!(PC版)

トップページ >> ミステリ >> DECEIT [突破] ?

DECEIT [突破] ?

[451]  etc.  2007-10-10投稿
 車は右に左に動き回り、望は前を見つめてハンドルを素早く操る。

 「各チームに通達する!! 敵と思われる車両、二台が我々を追跡中!! プランDに変更!! 繰り返す! プランDだ!!」

 『……了解……直ちに援護を向かわせます……』

 携帯電話から聞こえてくる声は緊張しているようで、固く聞こえる。

 光が我に帰り、後ろを振り向くと二台、黒塗りのバンが物凄い速度で向かって来ているのが分かった。

 「また、あいつら!?」

 すると冷たい風が車内に流れ込んで来た。

 その冷たさは空調機の風ではない。

 ふと気がついて上を見上げると、オレンジ色の大きな雲が広がっていた。

 「ちょっ……何してんのよ!!」

 「悪いがお前さんの喚き声にいちいち答えている暇はない!!」

 車は完全にオープンカーとなっていた。

 横には後ろの車に向けてJがライフルを構えている。

 「特製12ミリ口径でもくらいやがれ!!」

 約一時間振りのJの口から漏れた言葉は、子供がシューティングゲームをしながら言いそうなフレーズ。


 ……ズダンッッ!!


 何があったのかはその時は分からなかった。

 後ろの二台の内の一台が、物凄いスリップ音をたてながら、右に回転を始めたのだ。

 車の右の前輪はすでに形を維持してはいない。

 バランスを崩した車は、一生懸命に道路に留まろうと必死だった。


 一瞬の事だった。

 横を通り過ぎた対向車である大型トラックと衝突し、ガードレールの外へと掃き出される。

 「……ざまぁみやがれ!!」

 光はまた泣き出しそうになっていた。

 『何なの…… この日本人は……』

 直ぐさま望が光の安否を伺う。

 大丈夫だと望は見たが、光は外傷は無いものの”内傷”が激しかった。

 「死んだらどうすんの!!」

 「死なない程度にやってんだよ」

 光の目の前を死が通り過ぎたが、そんな事を望は気にもしない。

 「一段落ついたな」

 望は尚も対向車線を乗り越えて行ったり来たりしならがら、安堵のため息を漏らした。

 しかし、望遠鏡を覗いているJの次の一言で皆が凍り付いた。

 「……もう一台は何処だ!?」

感想

感想はありません。

「 etc. 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス