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処刑生徒会長第三話・19

[914]  まっかつ  2007-10-10投稿
赤木マモルの呼び掛けに応じて、生徒達は口々に叫んだ。

『殺せ!』

『殺してしまえ!』

『死刑にしろ!』

『あの悪魔を殺して!』

『梅城会長!あんなやつに情けは無用だ!!』

『そうだ!生かしておけば更に誰かが騙される!!』














殺せ 殺せ 殺せ 殺せ―\r

いつしか同じ言葉が体育館中を埋め尽した。

演壇上から片手を上げてそれを制止してから―\r

梅城ケンヤは宣告を下した。

『では、生徒諸君の総意により、斉藤サツキを偽証・陰謀の罪により車裂きの刑に処する!』

生徒達の発する歓声に包まれながら、反論する余地も与えられずに、斉藤サツキは両脇を風紀委員達に掴まれて、体育館外へと引きずり出された。











三0分後―\r

『い、いやっ―イヤアァァァァッ!た、助けて、お父さん、お母さん!!』

校庭に連れ出された彼女は、風紀委員によって目隠しをされ、到着した二台の軽トラの間に立たされた。

既に1000人の全校生徒が刑場の周りを取り囲み、泣き叫び続ける斉藤サツキに罵声やヤジや石や卵を思う存分投げ付け始めた。

『私は余り好きではありません』

生徒役員用の簡易テントで梅城ケンヤの隣に座った副会長・港リリアは苦言を述べた。

『これでは処刑ではなくショーではありませんか?』

事実人気取りなのだが、梅城ケンヤはもちろん、そんな事を認める筈がなかった。

『人はいつか死ぬ―増してや、悪人が善人よりも速やかに、悲惨な死を迎える事を周知させなければ世の中やってられないじゃないか』

それは完全な本音ではなかったが、あながち口からでまかせでもなかった。

『それに、車裂き自体は本人からすればさして苦痛はともなわない、一瞬で終わるよ』

そして、彼は皮肉気な視線を辺りの住宅街に向けた。

『銃殺ばかりすると苦情が入るんだ―ははっ、だからと言う分けじゃないが、こっちの方がまだしも騒がしくはないからな』

梅城ケンヤが冗談めかしている間にも、ワイヤーロープが手際よく斉藤サツキの首に巻かれ、更に別のロープが彼女の手足にきつく結びつけられ、それぞれの軽トラの後部にしっかりと繋がれた。

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