龍と狼2
反省と言われても、何をどう反省するのか、意味も手段も理解できない彼に与えられた法の裁きは『特等少年院』への送致だった。
一.
1998年8月
茹だるような暑さを吹き飛ばすかのような、突然のスコールが通り過ぎた後の閑静な住宅街の一画に、白いセダンが止まった。
暑苦しい紺のスーツを着た中年の男性と、見るからに涼しげな白いポロシャツとアイボリーのチノパン姿の青年が車から降り立った。
スポーツ刈りのような短髪と優しい風貌がミスマッチだったが、その冷めた目は、いつぞやの惨劇の主役だった頃と大差はなかった。
『守山』と書かれた表札の家に二人が入ると、六十過ぎの初老の男性が玄関に立っていた。
「お待ちしていました。保護観察官の守山です。」
初老の男性が話すと、スーツ姿の中年男性が、少し間を置いてから切り出した。
「弁護士の中原と申します。お会いして、いきなりで申し訳ないのですが、彼の保護観察処分について、重要なお話があります。」
守山が怪訝な表情を浮かべた時、青年の口元が微かに緩んだ。
応接間に、守山と向き合って、二人が並んで座っていた。
守山の表情は硬く、苦渋の形相だった。
一.
1998年8月
茹だるような暑さを吹き飛ばすかのような、突然のスコールが通り過ぎた後の閑静な住宅街の一画に、白いセダンが止まった。
暑苦しい紺のスーツを着た中年の男性と、見るからに涼しげな白いポロシャツとアイボリーのチノパン姿の青年が車から降り立った。
スポーツ刈りのような短髪と優しい風貌がミスマッチだったが、その冷めた目は、いつぞやの惨劇の主役だった頃と大差はなかった。
『守山』と書かれた表札の家に二人が入ると、六十過ぎの初老の男性が玄関に立っていた。
「お待ちしていました。保護観察官の守山です。」
初老の男性が話すと、スーツ姿の中年男性が、少し間を置いてから切り出した。
「弁護士の中原と申します。お会いして、いきなりで申し訳ないのですが、彼の保護観察処分について、重要なお話があります。」
守山が怪訝な表情を浮かべた時、青年の口元が微かに緩んだ。
応接間に、守山と向き合って、二人が並んで座っていた。
守山の表情は硬く、苦渋の形相だった。
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