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ヤス#167

[263]  チャーリー  2007-10-11投稿
ヤス#167
「いや、待て。先に俺に話させてくれ」
「…はい。分かりました」
「ヤスよ…実は…」
「はい…」
「純子も良く聞け…実はな…俺は人間ではない。人の姿をしているが、真の人間ではない」
「………………」
「はい…知っていました」
「純子…知っていたか…」
「はい」
「ヤスよ…純子から全てを聞いた。…ヤス殿…俺には手下が二十三人いる。人間の手下は千人だ」
「はい…」
「皆の命…ヤスに預ける。勿論、俺の命もだ」
「親分…」
「待っていたんだ…この時をずっと待っていた」
「どう言う事ですか?」「うむ…俺の年が分かるか?…この世界に来て三百年…三百年だ。ちょんまげの時代からいる。今日まで幾度も混沌の世界が訪れた。大きな戦もあった。だが、今度はとてつもなく大きな力が襲って来ている。俺達では太刀打ちが出来ない。 魔物にも善玉と悪玉がいる。ヤスよ…お前は神に選ばれた男。俺達の命。預かってくれ」

親分は両手を膝の上に乗せた まま、深々と頭を下げた。

「分かりました。親分はサトリをご存知ですか?」
「うむ…旧知仲だ。サトリの方が俺よりも三百歳先輩だがな…ウアッハッハ」
「明日、母さんを連れて崎戸に帰ります。親分も来ますか?」

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