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The ラベル

[716]  etc.  2007-10-13投稿
 僕の友人の話です。





 高校一年最後の定期テスト。

 私の学校では、二年生になると、希望する進路に進むための基礎段階としてコース選択をし、その進路に合わせた学習を行います。

 そのコースは大きく別けて文系、理系、文理系の三つです。

 彼は動物が大変好きで、将来就きたい職は獣医でした。

 そのため、理系選択をしなければこの先、受験や就職が難しくなります。

 勿論、そのためには人数制限のある理系に頑張って進まなければなりません。

 その分岐点とも言えるべき関門が今回の定期テスト。



 彼は頭が良く、成績も優秀でした。

 その成果は、日々の努力の積み重ねではありません。

 彼は、一夜漬けの名人でもあります。

 一晩寝ずに復習をするのです。

 この勉強方法は彼の習慣になっていました。




 その時起こった、”悪夢”です。

 彼の夢は、この出来事で途絶えたと言っても過言ではありません。

 彼の部屋には一台の冷温庫が置いてあります。

 いつも中には、パンや飲み物がギッシリ詰まっており、いつでも好きなときに利用出来るのです。

 彼の秘密兵器、『眠〇打破』も特設コーナーを用意するほどの量がありました。

 一夜漬け最大のキーアイテムでもあります。




 午後1時を回った頃だそうです。

 「さぁてと、やるか」

 意気揚々と机に向かい、教材を出してペンにぎりしめて、いつものように冷温庫に手を伸ばしました。

 手に取った小さな小瓶を素早く開け、口に流し込みました。



 異変に気が付いたのはそれから約3秒後のこと。

 空き瓶を後ろのごみ箱へと投げ入れたとき、いつもの苦いコーヒー、つまりカフェインの味がしないのです。

 疲れから来るものだと思いましたが、妙に腑に落ちなかった彼はごみ箱の中身を覗き込みました。

 彼はその瞬間、頭がパニックになったそうです。

 我が目を疑ったそうです。

 泣きたくなったとも言っていました。



 ラベルには悪魔の文字でこう書かれていました。













 『グ○スミン』

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