恋愛不感症(2)
「おはようございます」
凛子は毎朝、警備員室へ鍵を取りに行く。
「おはよう。今日も早いね」
橋本という警備員は、シワだらけの顔を更にくしゃくしゃにしながら、凛子に鍵を手渡した
「新人は朝の掃除とか大変なんですよ!橋本さんもお疲れさまです!」
凛子は橋本と話すのが好きだった。祖父と話しているようで、なんだか懐かしかったからだ。
大学も地元の大学に通っていた凛子は、就職とともに実家を離れて一人暮らしを始めた。
大学時代に付き合っていた人とは、一ヵ月もたたないうちに、自然と連絡が来なくなっていた。
仕方ない
仕方がなかった
凛子は、そう思うことで、自分の気持ちを冷凍して、胸の奥深くに埋めて、目につかないようにしていた。
事務所のドアをあける
電気と空調をつける
コーヒーを入れながら、机を拭き、掃除機をかける。
事務所内の掃除が終わる頃、もう一人の新入社員、真理恵が出勤してくる。
凛子は今日も笑って言う
「おはよう、あと応接室の準備お願いしていい?」
真理恵の後から今日も上司の林が出勤してくる。
林は、ばつが悪いのか、目を合わす事無く、デスクへ向かう。
凛子は毎朝、警備員室へ鍵を取りに行く。
「おはよう。今日も早いね」
橋本という警備員は、シワだらけの顔を更にくしゃくしゃにしながら、凛子に鍵を手渡した
「新人は朝の掃除とか大変なんですよ!橋本さんもお疲れさまです!」
凛子は橋本と話すのが好きだった。祖父と話しているようで、なんだか懐かしかったからだ。
大学も地元の大学に通っていた凛子は、就職とともに実家を離れて一人暮らしを始めた。
大学時代に付き合っていた人とは、一ヵ月もたたないうちに、自然と連絡が来なくなっていた。
仕方ない
仕方がなかった
凛子は、そう思うことで、自分の気持ちを冷凍して、胸の奥深くに埋めて、目につかないようにしていた。
事務所のドアをあける
電気と空調をつける
コーヒーを入れながら、机を拭き、掃除機をかける。
事務所内の掃除が終わる頃、もう一人の新入社員、真理恵が出勤してくる。
凛子は今日も笑って言う
「おはよう、あと応接室の準備お願いしていい?」
真理恵の後から今日も上司の林が出勤してくる。
林は、ばつが悪いのか、目を合わす事無く、デスクへ向かう。
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