一陣の風 第1章「夢見る少年と異端の紅い十字架?」
ここは夢の中?
憧れの場所、その入口に僕は今、立っている−
高鳴る鼓動を抑え、ありきたりな方法で、コレが現実であることを確かめる…昨晩から夜通しで…
重く閉ざされるものを指先で押し退け、何度も目を通した一枚の紙切れ…
「世界暦1015年4月1日付
キッド=アルフレア第三尉魔術士を私立魔術士事務所「一陣の風(ゲイル)」に出向・配属を命ずる。
中央魔術司令塔局局長 アルダート=ギブスレイ 」
現在、最高の名誉職である「魔術士」。
その中の最高職の一人、アルダート氏のサインが刻まれた命令書…
間違いない!
8回目にしてやっと掴んだ魔術士の資格。
半年に渡る初期講習を経て、遂に来た最初の配属命令−
それが憧れの事務所「一陣の風」だった。
事務所のドアの前に立ち小一時間が経つ…
古びたビルの一室。
閉ざされた部屋からは、
何やら不思議な空気が漂って来る、そんな感じがした…
思い切ってドアノブに手を回す…
‐ギィィッ…!‐
すると、触れていないはずの扉が音を立てる。
そのまま吸い込まれるように部屋の中へ滑り込む。
「あ痛たたっ…!」
倒れ込んだキッドの目に飛び込んで着たのは、予想を裏切る薄汚い空間…
乱雑に積み上げられた書類や書物の山…
あふれかえったゴミ箱に、部屋中に飛び散らかったゴミとも何ともつかないもの…
何よりも耐え難かったのは、視界を奪う程の靄…
煙草の煙だった…
喉を突くその臭いは、まだ未成年のキッドには理解しがたいものだった…
「ッ、ゴホッ!ゲホッ…!!何だよ、これ…ここが夢にまで見た場所?嘘でしょお〜?」
愕然と唖然と…
夢と現実のあまりの差、少年の心は簡単に折られてしまう。
(しかし、汚い…三流映画に出てくる独身男の一人暮しっ…て感じだな…コレは…僕のイメージの真逆だ…)
「部屋間違えたかな…?…そうであってほし…」
‐ガシャンッ!!‐
突然の音にキッドは言葉を飲み込み、尻餅をつく。
驚きと恐怖で表情が歪む。
震える眼に映るのは、不自然にゴミの山から生える、人の顔。
正確には、その向こうに覗く、人の顔…か。
「…うるせぇな…依頼だったら、お断りだ…帰れ!」
「…は?」
これが−最悪の出会いの始まり−だった…
憧れの場所、その入口に僕は今、立っている−
高鳴る鼓動を抑え、ありきたりな方法で、コレが現実であることを確かめる…昨晩から夜通しで…
重く閉ざされるものを指先で押し退け、何度も目を通した一枚の紙切れ…
「世界暦1015年4月1日付
キッド=アルフレア第三尉魔術士を私立魔術士事務所「一陣の風(ゲイル)」に出向・配属を命ずる。
中央魔術司令塔局局長 アルダート=ギブスレイ 」
現在、最高の名誉職である「魔術士」。
その中の最高職の一人、アルダート氏のサインが刻まれた命令書…
間違いない!
8回目にしてやっと掴んだ魔術士の資格。
半年に渡る初期講習を経て、遂に来た最初の配属命令−
それが憧れの事務所「一陣の風」だった。
事務所のドアの前に立ち小一時間が経つ…
古びたビルの一室。
閉ざされた部屋からは、
何やら不思議な空気が漂って来る、そんな感じがした…
思い切ってドアノブに手を回す…
‐ギィィッ…!‐
すると、触れていないはずの扉が音を立てる。
そのまま吸い込まれるように部屋の中へ滑り込む。
「あ痛たたっ…!」
倒れ込んだキッドの目に飛び込んで着たのは、予想を裏切る薄汚い空間…
乱雑に積み上げられた書類や書物の山…
あふれかえったゴミ箱に、部屋中に飛び散らかったゴミとも何ともつかないもの…
何よりも耐え難かったのは、視界を奪う程の靄…
煙草の煙だった…
喉を突くその臭いは、まだ未成年のキッドには理解しがたいものだった…
「ッ、ゴホッ!ゲホッ…!!何だよ、これ…ここが夢にまで見た場所?嘘でしょお〜?」
愕然と唖然と…
夢と現実のあまりの差、少年の心は簡単に折られてしまう。
(しかし、汚い…三流映画に出てくる独身男の一人暮しっ…て感じだな…コレは…僕のイメージの真逆だ…)
「部屋間違えたかな…?…そうであってほし…」
‐ガシャンッ!!‐
突然の音にキッドは言葉を飲み込み、尻餅をつく。
驚きと恐怖で表情が歪む。
震える眼に映るのは、不自然にゴミの山から生える、人の顔。
正確には、その向こうに覗く、人の顔…か。
「…うるせぇな…依頼だったら、お断りだ…帰れ!」
「…は?」
これが−最悪の出会いの始まり−だった…
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