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BURNING!4

[317]  くろつき  2007-10-14投稿
「へぇ…。」
気のない返事を返しながらその“転校生”の事を思うと複雑な気分になる。
“ここ”に来るということは、それなりに辛い思いをしている…ということだからだ。
そう、今テレビで言った《九州特区》とは真紅達のいるこの場所のことなのだ。
《九州特区》は…。
「ぅはよ〜…」
その時、眠たげな声とともに現れたのは、父の暁(あきら)だった。
ボサボサの頭に無精髭、ヨレヨレのTシャツに短パンと情けない姿だが、実は売れっ子の作家だったりする。
「おはようございます。おじさん。」
「や…おはよ…。」
水葉に応えるとそのままソファに倒れこんだ。
「明日締め切りだっけ?
間に合いそう?」
たしかもう三日は徹夜のはずだ。
心配になって聞いてみる。
「ん…なんとか…九割はできたから…あ、ライターがない…。」
答えながら煙草をくわえ、ゴソゴソライターを探す。「パパ、ほいっ」
指先を差し出すと、
「あぁ、悪い。」
と言って父が煙草を近付ける。
僅かに神経を集中すると…次の瞬間、『ポンッ』っと軽い音とともに、真紅の指先に赤い炎がともった。
煙草に火が着くと、父は美味そうに紫煙を吸い込んだ。

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