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証(あかし)〜困惑

[206]  2007-10-15投稿
まさか…。
まさか姉の姑から結婚を勧められるとは考えも及ばなかった。

ましてや、死んだ姉の夫だった人の後妻に入れとは…。
それも本人からではなくて、その母親からプロポーズされるなんて…。

確かにこの時代、由緒ある家では、死んだ姉妹の代わりに後妻になるケースはあるとは聞いたことがあった。


でもそれが自分にふりかかってくるなんて…。


純子は出されたお茶を飲もうと手に持っていたが、そのまま口につけずに動けなくなってしまった。


ようやく口を開き
「…私にそんな…。確かに光栄なことですが、お義兄さんは私にはもったいない方ですし…。」

お茶をテーブルに置き、純子はそう話すのがやっとだった。


純子姉妹の父は薬品会社を経営しており、純子の姉の嫁ぎ先にはいつも世話になっていた。

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