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伝染鍵?

[604]  2007-10-15投稿
アパートの小山内の部屋をノックした。
「小山内さん?いるんだろ?いるんだろ!」
ガチャガチャ…

鍵がかかって開かない…
ベランダから回れるはずだ。

ベランダから少し中が見えた。

見たくもない光景だった…。

小山内が天井からぶら下がっていた。

ガラスを割り、部屋へ飛び込んだ。

まだ息がある。

「小山内さん。小山内さん!」

ふと頭の中をよぎった、「助ける勇気。死なせてあげる優しさ。」
僕は迷わなかった。彼女が苦しんでも…僕が支えればいいんだ…
無我夢中で彼女を縛るロープをあのナイフで切った。

うつむいた彼女は「死なせて…お願い……。」

「バカやろー!俺は死なせない!認めないからな!病気から逃げる小山内さんを俺は許さない。何度死のうと考えても俺が何回でも止めてやる!」

彼女の目には大きな涙が溢れていた。

気がつくと、僕まで涙を浮かべていた…
何日か前までの自分では考えられない…
あの鍵が…

全て変えたんだ…


彼女を病院へ運び、バカな考えを起こさせないために、ぼくは小山内のそばにいることにした。

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