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?失くしたもの -ナクシタモノ-

[243]  壱河 ゆりゑ  2007-10-16投稿
どこを探しても見つからない。
一体どこにあるのだろう。
しまってある場所はわかっているのだけれど、カギが見つからない。
大事に、大事にしていたから逆に見つからなくなってしまったようだ。
えっと私が探しているものは………。
何だったっけ?
あれっ?
どうして探し始めたんだっけ。
えっと、それは。
え〜と………。

あの日、電話がかかって来た。
雨の降る日で気分は良くなかった。
相手は暫く会っていなかった彼。
会ってくれなかった理由は聞けずじまい。
聞く度胸がなかった。
話しの内容はシンプル。
「まだ俺のことが好きなら…もう一度俺と会ってくれ。明日の午後五時に公園で待ってる。」
それだけ。
自分の言いたいことを言っただけ。

でも私どうして探し始めたの。
何を?
『探しているのは。彼との想い出。心の傷が想い出の引き出しを開けるカギ。』

私は別れたくなかった。
好きだった。
もう一度会いたい。
どうして好きになったの。
どうして会いたいの。
どうしてあの時………。
もういい考えるだけ無駄。
早く彼来ないかな。
………。
あっ来た!
「なぁ。聞いてくれ。俺からフラれたみたいに思ってるようだけど。俺達はまだ、別れてない 。もう一度付き合ってくれ!」
って言ってくれると思った。
言ってくれたらいいのにって思ってた。
だけど、そこに、彼はもういない。
私が見つけたその時に彼は消えた。
正しくは、彼の命のともしびが。
信号待ちしていた彼に。
手に小さな箱を抱えた彼に。
トラックが飛び込んだ。
それは一瞬のこと。
それは一瞬。
一瞬。
彼に駆け寄る私。
「これ……買うために会わずに働いたのに………。別れて時間作ったのに………。」
手には小さな箱。
「開けて、俺に見せてくれ。」
箱の中には 小さなリング。
小さな石の付いた可愛いリング。
大きな心のこもったおくりもの。
指にはめ、彼に見せる。
左手の薬指。
ニッコリと笑う彼。
涙が止まらない私。
彼はついに眠りについた。

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