涙の絆 2
純が精神病院の保護室に入る、というよりは入れられたのには、勿論原因があった。それは、始めは、二人部屋に入るはずだったのに、純はこの病の特徴の一つである。幻覚妄想を伴っていたからである。純が家族に初めてこの病院に連れてこられたとき、診察室で筋肉注射を、お尻に一本打たれた。長い黒髪を後ろで一本に束ねた女医は純がそのとき精神錯乱と判断したからだ。その女医がこれから純の主治医になるこになった。 純は、筋肉注射を打たれて間もなく眠りにおちた。純が目を覚ますと二人の看護士が純を両脇から抱えて診察室から廊下を通り重圧な鉄扉の鍵を開け三人で入っていった。そこは、閉鎖病床の入口である。その光景を見届けていた家族の目からはとめどなく流れる涙があた。
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