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いちご小説

[456]  キュウリ  2007-10-17投稿
いちご小説を知っていますか?

誰でも読めばたちまち可愛くなり、彼氏ができるという噂の小説です。

でもその内容は…






チュンチュン…

「んーっ」

パジャマ姿の女の子が、朝の太陽に照らされて
眩しそうに目をこすった。

「おはよ ユウヤ。」

少女の唇が立てかけてあった少年の写真に軽く触れる。

彼女の名前はヒラオカアズサ。

ごく普通の中学生だ。

「アズサー!遅刻するわよっ!!」

下で叫んでいるのは母親だろう。

母親もまぁどこにでも居そうな容姿をしていて
褐色のエプロンと、手に持ったおたまがやけに似合う。

バタバタ…

階段から勢い良く降りてきたアズサは真っ先にテーブルにつく。

「おかーさんご飯ご飯〜♪」

置いてあったお箸を一本ずつ両手に持って、空の茶碗を叩いてみせる。

茶碗には、いかにも女の子らしい小花のプリントがされている。

「はいはい」

母親が茶碗を持ち去る。

「おかず何〜?」

キッチンにいる母に期待を乗せて叫ぶ。が、次の瞬間その期待は見事に裏切られる。

「煮物とキムチ!!」
アズサの中にあったホットケーキという希望は、胸の奥にしまわれた。

「いただきます!」

続く

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