携帯小説!(PC版)

偽善

[320]  ふく  2007-10-17投稿
『私、彼が好き』
突然の告白
大切な友達

『そっか』
私も彼が好き
きっと彼女よりも

出会わせたのは私
彼と出会ってから日は浅いけど彼の持っているものに惹かれすぐに恋に落ちた

会いたくて
でも二人で会う勇気もなくて
友達を誘って何度か遊んだ

私が選んだ彼
友達が彼に恋をしても自然な事

『告白したんだ』

私にはそんな勇気さえなくて
いつも受け身で
自分で情けなくなる

私も好きなんだ

そう言えば友情が崩れる

弱い
大切にしたい物が
一つ壊れて行く

いつも彼女の幸せを願った

『うまく行くといいね』

彼が私に微笑む顔が好きだったのに
彼が好きな歌を私に教えてくれたのに
その歌が大好きになったのに
私だけに好きな曲を入れたMDを作ってくれたのに
嬉しくて嬉しくて
何度も繰り返し聴いたのに
夢を話してくれたのに
いっぱい相談にのってくれたのに

本気で好きになったのに

『告白されたんだ』
彼からの告白
大切なあなた

友達からの言葉よりも
胸を突き刺すあなたの言葉

『彼女、いい子だから大切にしてあげて』
最大の偽善
心にも無い想い

『でも』
彼の迷った声

聞きたくはない
苦しい
行かないでよ
私を見てよ
言いたくて言えない言葉が頭を狂わせる

自分が進むべき道が見えなくなる

二人が幸せになれば
強がっては虚しさが襲い掛かる

でも言えない

弱い自分に苛立ち
それでも弱いまま頷き続ける

大切な友達だから

大好きな友達だから

私が好きな彼だから

愛情と友情は時に残酷なものだ

どちらかが犠牲になるのならば友情を選ぼう

楽な道ではないけれど
私が笑えばそれでいい

後悔もするけど
目をつぶっていればいつかは忘れる
そう信じて彼を彼女へ託そう

『私たち付き合う事にしたんだ』
幸せに満ち溢れた友達の顔
隣で恥ずかしそうに俯く彼

笑って祝福しようと決めていた


笑えない
胸が痛すぎて泣けない
手が震える
頭が朦朧とする
うまく声が出せない

やっぱり
苦しすぎる

何故彼に飛び込んで行けなかったんだろう
私でも良かったのかな
私が先に告白したら
彼は素直に喜んでくれただろうか

私に見せた彼の
照れた微笑みが脳裏をよぎる

『おめでとう』


心から喜べない私を
ちゃんと笑えない私を
この嘘の言葉を許して欲しい

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