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デリート 3・狼の牙

[565]  朝倉令  2006-03-19投稿
 case‐涼

東京、深夜の公園



「!」


城崎涼は、背後の暗がりから襲いかかってきた男に、口元を押さえられた。

喉にヒンヤリと鋼の感触が加わる。


「ウヘヘヘ、おとなしくしてりゃ命までは取らねぇよ」


涼は動じる様子もなく、喉に押し当てられたナイフを指でつまみ、パキッと枯れ枝のようにアッサリへし折った。

その後で、口を押さえ付けていた手をひっぺがす。

 男は戸惑っている気配だった。


「人間の女狙いなよ」
「え?」

次の瞬間、ゴオッと旋風が巻き起こりビリッと衣の裂ける音と、重く鋭い打撃音が交錯する。


「あ〜あ、このタイトスカート買ったばかりなのにぃ……
弁償してよ!‥と言いたいとこだけど、そのザマじゃ無理か」


城崎涼の回し蹴りをまともに食らったレイプ男は、首から上が消し飛び、絶命していた。

ニッ、と笑う涼の唇の間から、鋭利な牙が顔をのぞかせる。




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