蒼郷の空.03
あの日、エリカとシエルが夕闇の丘で手を取り合ってから7年後――
重たく沈んだ雲が空を埋め、村に冷たい雨が降りしきる。
『でていけ!』
『え!?』
『でていけ悪魔!下劣な魔女め!』
『いや!他へ出る前に、今ここで殺しちまった方がいい!!』
口々に降り懸かる村人からの罵声。
『…待ってどうして!!?』
傷だらけになった銀髪の少女が、状況を理解できずにうろたえる。
『オマエは世界を殺すんだ!』
そう言っておもむろに近くにあった木の枝を掴み上げ、少女に投げ付けた。
『ッ――違う…しないよ……ッ先生!』
少女は振り返り、視線の先に居る女性に縋るように言葉を放つ。しかし、それを突き放すような視線、声色で女性は言った。
『……魔女め』
『そ…んな……』
『ほら!逃がすなーー!』
『みんな…っなんでっ……』
少女は駆け出す。幼い頃、よく遊びで使っていた、いわゆる"秘密の抜け道"へ飛び込んだ。
『クソッ逃げ足のはやい……どこ行きやがった!?』
『そう遠くまでは行けないだろ、まだその辺にいるぞ!捜せ!』
重たく沈んだ雲が空を埋め、村に冷たい雨が降りしきる。
『でていけ!』
『え!?』
『でていけ悪魔!下劣な魔女め!』
『いや!他へ出る前に、今ここで殺しちまった方がいい!!』
口々に降り懸かる村人からの罵声。
『…待ってどうして!!?』
傷だらけになった銀髪の少女が、状況を理解できずにうろたえる。
『オマエは世界を殺すんだ!』
そう言っておもむろに近くにあった木の枝を掴み上げ、少女に投げ付けた。
『ッ――違う…しないよ……ッ先生!』
少女は振り返り、視線の先に居る女性に縋るように言葉を放つ。しかし、それを突き放すような視線、声色で女性は言った。
『……魔女め』
『そ…んな……』
『ほら!逃がすなーー!』
『みんな…っなんでっ……』
少女は駆け出す。幼い頃、よく遊びで使っていた、いわゆる"秘密の抜け道"へ飛び込んだ。
『クソッ逃げ足のはやい……どこ行きやがった!?』
『そう遠くまでは行けないだろ、まだその辺にいるぞ!捜せ!』
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