FRAGILE DREAM 6
ノブの所に金の装飾がしてある、木製のドアの前に立ち、俺はすぅっと息を吸った。
コンコン
「失礼します、セシリーナさん。ダンテです」
「入りなさい」
ドアの向こうから低めの女性の声がした。俺はゆっくりとドアを開けた。ドアから真っすぐ奥にある窓の所に、長身の女性が立っている。
「やあ…ダンテ。呼び出して悪かったね」
セシリーナはふっと笑った。表情は自然に見えるが、銀灰色の瞳はひどく冷たい。
「いえ…」
俺は少しも動かずに答えた。
「まあ掛けなさい。立ち話にするには長い話だ」
「はい」
俺は部屋に足を踏み入れ、セシリーナに背中を見せずにドアを閉めた。
「髪が濡れてるな。シャワーでも浴びて来たのか?」
「あ…いえ、はい」
俺は少しうろたえつつ答えた。まさかついさっきまで寝癖を直していたとは言えない。セシリーナは口を押さえて笑っている。だいたい想像はついているらしい。
セシリーナ・ ヴァレンスキ−。これが彼女の名だが、おそらく通名だろう。長い黒髪、180センチほどの長身、銀灰色の瞳。あまり無骨な印象はなく、物腰はどことなく優雅だが、左目を裂く傷が戦場をかけた人間であると悟らせる。
そう、彼女こそ、この訓練施設の一切を任された俺達のボスだ。
コンコン
「失礼します、セシリーナさん。ダンテです」
「入りなさい」
ドアの向こうから低めの女性の声がした。俺はゆっくりとドアを開けた。ドアから真っすぐ奥にある窓の所に、長身の女性が立っている。
「やあ…ダンテ。呼び出して悪かったね」
セシリーナはふっと笑った。表情は自然に見えるが、銀灰色の瞳はひどく冷たい。
「いえ…」
俺は少しも動かずに答えた。
「まあ掛けなさい。立ち話にするには長い話だ」
「はい」
俺は部屋に足を踏み入れ、セシリーナに背中を見せずにドアを閉めた。
「髪が濡れてるな。シャワーでも浴びて来たのか?」
「あ…いえ、はい」
俺は少しうろたえつつ答えた。まさかついさっきまで寝癖を直していたとは言えない。セシリーナは口を押さえて笑っている。だいたい想像はついているらしい。
セシリーナ・ ヴァレンスキ−。これが彼女の名だが、おそらく通名だろう。長い黒髪、180センチほどの長身、銀灰色の瞳。あまり無骨な印象はなく、物腰はどことなく優雅だが、左目を裂く傷が戦場をかけた人間であると悟らせる。
そう、彼女こそ、この訓練施設の一切を任された俺達のボスだ。
感想
感想はありません。