龍と狼30
背が高く、ハキハキした話し方をするソルミは、ソンスンの手を無理矢理引っ張った。
「もう、また、こんなん見て!朝ご飯もまだ食べてへんのに、人殺す計画なんかすんな!」
訳のわからん説教だったが、ひとまず下へ降りて、ソルミと遅い朝食をとった。
「お兄ちゃんは?」
ソンスンは辺りを見渡して、ウンジュの姿が見当たらないので聞いた。
「仕事。でも今日は朝の仕事やのうて、夜の方。まだ昼前や、っちゅうのに、昨日のテロがあってから、急に忙しなったみたいやな。」
“朝の仕事”
ウンジュは大阪・生野の公設市場で、鮮魚の卸売業を営んでいる在日コリアンだ。
日本で最も多くの在日コリアンが住む街、生野。
そこにソンスンは身を寄せていた。
そして、ソンスンも表向きはウンジュが営む会社の従業員だ。
ウンジュは、ソンスンの“本業”を知っている数少ない存在の一人であり、日本での彼の活動の最大の協力者だ。
「なあ、ソン・・」
ソルミが切り出した。
ソンスンは無言のまま、トーストを食べている。
「もう、今の仕事辞めてえや。」
ソンスンは少し上目を上げた。
「辞める?」
ソルミは頷いて、ソンスンを見つめた。
「もう、また、こんなん見て!朝ご飯もまだ食べてへんのに、人殺す計画なんかすんな!」
訳のわからん説教だったが、ひとまず下へ降りて、ソルミと遅い朝食をとった。
「お兄ちゃんは?」
ソンスンは辺りを見渡して、ウンジュの姿が見当たらないので聞いた。
「仕事。でも今日は朝の仕事やのうて、夜の方。まだ昼前や、っちゅうのに、昨日のテロがあってから、急に忙しなったみたいやな。」
“朝の仕事”
ウンジュは大阪・生野の公設市場で、鮮魚の卸売業を営んでいる在日コリアンだ。
日本で最も多くの在日コリアンが住む街、生野。
そこにソンスンは身を寄せていた。
そして、ソンスンも表向きはウンジュが営む会社の従業員だ。
ウンジュは、ソンスンの“本業”を知っている数少ない存在の一人であり、日本での彼の活動の最大の協力者だ。
「なあ、ソン・・」
ソルミが切り出した。
ソンスンは無言のまま、トーストを食べている。
「もう、今の仕事辞めてえや。」
ソンスンは少し上目を上げた。
「辞める?」
ソルミは頷いて、ソンスンを見つめた。
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