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龍と狼30

[342]  武藤 岳  2007-10-25投稿
背が高く、ハキハキした話し方をするソルミは、ソンスンの手を無理矢理引っ張った。

「もう、また、こんなん見て!朝ご飯もまだ食べてへんのに、人殺す計画なんかすんな!」

訳のわからん説教だったが、ひとまず下へ降りて、ソルミと遅い朝食をとった。


「お兄ちゃんは?」

ソンスンは辺りを見渡して、ウンジュの姿が見当たらないので聞いた。


「仕事。でも今日は朝の仕事やのうて、夜の方。まだ昼前や、っちゅうのに、昨日のテロがあってから、急に忙しなったみたいやな。」

“朝の仕事”

ウンジュは大阪・生野の公設市場で、鮮魚の卸売業を営んでいる在日コリアンだ。

日本で最も多くの在日コリアンが住む街、生野。


そこにソンスンは身を寄せていた。

そして、ソンスンも表向きはウンジュが営む会社の従業員だ。

ウンジュは、ソンスンの“本業”を知っている数少ない存在の一人であり、日本での彼の活動の最大の協力者だ。

「なあ、ソン・・」

ソルミが切り出した。

ソンスンは無言のまま、トーストを食べている。

「もう、今の仕事辞めてえや。」

ソンスンは少し上目を上げた。

「辞める?」

ソルミは頷いて、ソンスンを見つめた。

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