龍と狼48
「オオカミも、棟方も、どちらも祖国にとって害な奴等だろ?
その始末を、あんた方は、手を汚さないで済むんだ。」
チャンホは観念した素振りで、ソンスンに言った。
「電話をさせてくれ」
チャンホは携帯電話を取り出すと、すぐにアドレス帳を開いて電話を始めた。
ソンスンは、このあまりにも突然な要求が、このまま、この場で危険分子として、ソルミと共にチャンホに抹殺され兼ねない危機感を感じ、タンクトップの背中に仕込んである軍用ナイフの位置を、バレないように確認した。
『万が一の時は、こいつを殺る!』
ソンスンは決心して、チャンホの電話が終わるのを待った。
「もしもし、ノ上級局長です。長官にお話したい事があるのですが・・・」
チャンホは長官と名乗る男と、やや長い間、電話でやり取りを交わして、携帯電話を閉じた。
そして、やや緊張した表情でソンスンに伝えた。
「今、連絡を待っている。もう少し待ってくれ。」
「ああ」
ソンスンはソルミの側に寄り添い、ソルミに背中を撫でさせた。
ゴツッという固い感触があり、ソルミの手が止まると、ソンスンは後ろ手に廻し、ソルミの手の甲の上に乗せて、ナイフを静かに抜いた。
その始末を、あんた方は、手を汚さないで済むんだ。」
チャンホは観念した素振りで、ソンスンに言った。
「電話をさせてくれ」
チャンホは携帯電話を取り出すと、すぐにアドレス帳を開いて電話を始めた。
ソンスンは、このあまりにも突然な要求が、このまま、この場で危険分子として、ソルミと共にチャンホに抹殺され兼ねない危機感を感じ、タンクトップの背中に仕込んである軍用ナイフの位置を、バレないように確認した。
『万が一の時は、こいつを殺る!』
ソンスンは決心して、チャンホの電話が終わるのを待った。
「もしもし、ノ上級局長です。長官にお話したい事があるのですが・・・」
チャンホは長官と名乗る男と、やや長い間、電話でやり取りを交わして、携帯電話を閉じた。
そして、やや緊張した表情でソンスンに伝えた。
「今、連絡を待っている。もう少し待ってくれ。」
「ああ」
ソンスンはソルミの側に寄り添い、ソルミに背中を撫でさせた。
ゴツッという固い感触があり、ソルミの手が止まると、ソンスンは後ろ手に廻し、ソルミの手の甲の上に乗せて、ナイフを静かに抜いた。
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