携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> リフェード2

リフェード2

[341]  サス  2007-10-27投稿
息を荒げその場に座り込む少年。
困惑の表情を浮かべながら膝に手をつき青年が嘆く。
『剣なんてハンデがなかったらなぁ…』
額から滴り落ちる汗は敗北という二文字の劣等感、死への恐怖、疲労と様々な要素を踏まえ今だ吹き出し続ける。
耳に届く鼓動は激しい戦闘、命の取り合いからの緊張により激しさは衰える事を知らない。

『グランに初めて勝ったぁ!』

満面の屈託の無い笑みを浮かべ辺り一帯に響く声で言う。
黒髪、黒の瞳、この地域では珍しい容姿の少年はそれを期に大の字で背を地面に預ける。

『ラウル良くやったな』
教官らしき中年の男性。短髪の茶色掛かった髪と瞳。顎髭を生やしそれがより一層威厳を深める。
その声は喜びが多少なりともこもっていた。
『ロウ教官はラウルびいきですか?』
負けた悔しさからくる怒りを見せ、肩で息をしながら強い目線で緑の瞳をもつ青年はロウに訴える。『違うな。お前にとったらハンデだが、今回の模擬戦は一つのシチュエーションと思ってくれ』
鋭い視線を向け一答する。
『シチュエーションですか?』
緑の瞳に掛かる垂れた金の髪をかき上げ、今だ疑念の声で投げかける。
『自分の得意とする武器が近くに無い場合、武器を辺りに飛ばされた場合だ。どちらも"可能性"が無いとは言えない。足らぬ頭でもわかるだろう』
背後から聞き覚えのある声がした。それを見ると小馬鹿にした表情を浮かべている髪をポニーテールのように結び、髪や目がまさに彼を青と言うイメージを強く印象付けさせる青年がいた。
『あぁったまにきた…レイスっ!今日と言う今日こそ決着をつけてやるぜ!』
疲労などは微塵も見せず、腰を深く落とすと槍を下げた時の状態を作る。
さっきまで息を荒げていたのにも関わらず独自の呼吸法により既に息を整えていた。
刹那両手から緑がかった光が発せられ槍と似た戟と言われるものが煌めくのを止めその形を成す。
質量保存の法則等の科学の一線を越えた常人には考えられない出来事が起こる。
脳に焼き付けたイメージに魔力を注ぐだけと彼らは言うが、これを瞬時に成すだけでもそこらの魔術師ならば十年は掛かる。
それを幼さが残る彼が造作もなくやり遂げる。しかし、そこに居た者に驚きの声をあげる者は一人としておらず、さも当たり前のよう。
『またか』と、この見慣れたやりとりに呆れた表情を浮かべるラウルとロウがいた。

感想

感想はありません。

「 サス 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス