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リフェード 3

[278]  サス  2007-10-28投稿
『教官、お久しぶりです』

無視するかのようにロウに気品漂う会釈をする。こんな状況でも落ち着きと礼儀は忘れないようだ。

すぐに視線を戻す。後ろで束ねた髪が風になびく。普段なら風に乗る花々の妖精たちが気分を和らげてくれるのだろう。

しかし、それも彼らには意味をなさず竜虎の対峙を彷彿させる。

『いいだろう。しかしその状態ではまた負けが込むぞ?』

鼻で笑い皮肉に言い終えると、肘から先を上と向ける。

先ほど同様、青白い光がほとばしり収束すると細身の剣が現れる。

誰も驚きなどはしない筈である。当たり前の光景なのだから。

『関係ねぇな。良いハンデだぜ!』

ぶっきらぼうに吐き捨てる。少年との激闘の疲れはどこかに消し飛んだかのようだった。

互いにそれから一呼吸置き、合図とも取れる声を発する。

『いくぞ…』
『こいやぁ!』

声が重なり、またも金属による演奏が始まった。

『ロウさん止めなくていいんですか?』
真珠のような少し濁る輝きを放つ瞳を教官であるロウに向け促す。どうやら彼だけがロウさんと呼ぶみたいだ。

この瞳に鬼と恐れられる教官ですら、日々の激務からの疲れも癒される。

『日が落ちる前には止むだろう』

答えになっていないやりとりだが、少年は頷いて見せる。

『さっき、シチュエーションと言ったがもし魔力が…』

などと心配をする素振りすら見せず説明をし始める。


と…



━━━━━━━━!!


辺りに大質量の魔力を帯びた風が感じられた!そこに皆が視線を移す。

一進一退の攻防をしていた彼らも驚きの表情を浮かべながら。

『おや、もの凄い殺気を感じて来てみたらお前さん達か?』
ふっと原因の主が現れる。空間転移の禁術をいとも簡単にしてきたこの老人。

禁術の使用は、古人の文書通りの莫大な量のイメージを構成し同等量の魔力を注がねば絶命してしまうのだ。
それは魔術師ならば誰もが知っている事で、禁術を使用する者は今やこの老人のみとなっていた。

『ふぉっふぉ、若いとは良いことよのぉ』

顎から長く伸びた白い髭をさするようにして言う。

『ちょっ長老!どうされましたか!!』
ロウが今までの風格など微塵も見さず、最高位魔術師の象徴、黒い法衣を纏った老人に慌てて近寄る。

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