寺田フルーツパンチ?
11月の初めの、霜の降りた朝だった。
上を電車が走る鉄橋の下近くに、ゴミ捨て場がある。そこを、通勤するOLやサラリーマンや学生が、白い息を吐きながら通り過ぎていく。
ただ、その日はいつもと様子が違っていた。通り過ぎていく人たちは、ゴミ捨て場を好奇な目で見るか、あからさまに目を背けるかのどちらかだった。
なぜか。
ゴミ捨て場に、ゴミに埋もれて人が刺さっていたからである。
直立不動、「気をつけ」の姿勢のまま、頭からゴミに突っ込んで、逆さまに固まっていた。死体のようであり、酔っ払いのようにもみえた。
ある小学生の男子グループが、おもしろがってちょっかいを出した。
「うおっ、なんだこれ!ゴミ捨て場に刺さってんぞ!」
「ははは変なの〜!こいつ酔っ払いかなぁ」「蹴り入れてやろうぜ」
よってたかって、まだ短い足で蹴りを入れはじめた。
「うはは、起きろ〜」「朝ですよ〜」
ゴミ捨て場の男のジャケットに、足跡がついた。
男の 指が 動いた。
「痛ってぇな!!!」「ギャァァァー!!!」
いきなり男が起きたので、子供たちは驚いて走り去っていった。
男は寝起き特有の、ぼけた顔のままゴミの上に座っていた。
埋まっていたところ以外の部分には霜が降り、朝日にキラキラ輝いていた。
「‥‥ぬぁっ‥寒い‥」
両手で両腕をさすった。
辺りを見回すと、どうやらどこかの駅近くの繁華街のようだった。道行く人はみんな、起きた男を見ないようにそそくさと通り過ぎていった。
カラスだけが、男の近くに寄って行ってゴミ漁りをしだした。
「あれ‥‥?ここ‥‥どこ?ん?‥あれ?ってゆうか‥‥‥オレは‥‥‥誰だ?」
男は記憶喪失だった。
上を電車が走る鉄橋の下近くに、ゴミ捨て場がある。そこを、通勤するOLやサラリーマンや学生が、白い息を吐きながら通り過ぎていく。
ただ、その日はいつもと様子が違っていた。通り過ぎていく人たちは、ゴミ捨て場を好奇な目で見るか、あからさまに目を背けるかのどちらかだった。
なぜか。
ゴミ捨て場に、ゴミに埋もれて人が刺さっていたからである。
直立不動、「気をつけ」の姿勢のまま、頭からゴミに突っ込んで、逆さまに固まっていた。死体のようであり、酔っ払いのようにもみえた。
ある小学生の男子グループが、おもしろがってちょっかいを出した。
「うおっ、なんだこれ!ゴミ捨て場に刺さってんぞ!」
「ははは変なの〜!こいつ酔っ払いかなぁ」「蹴り入れてやろうぜ」
よってたかって、まだ短い足で蹴りを入れはじめた。
「うはは、起きろ〜」「朝ですよ〜」
ゴミ捨て場の男のジャケットに、足跡がついた。
男の 指が 動いた。
「痛ってぇな!!!」「ギャァァァー!!!」
いきなり男が起きたので、子供たちは驚いて走り去っていった。
男は寝起き特有の、ぼけた顔のままゴミの上に座っていた。
埋まっていたところ以外の部分には霜が降り、朝日にキラキラ輝いていた。
「‥‥ぬぁっ‥寒い‥」
両手で両腕をさすった。
辺りを見回すと、どうやらどこかの駅近くの繁華街のようだった。道行く人はみんな、起きた男を見ないようにそそくさと通り過ぎていった。
カラスだけが、男の近くに寄って行ってゴミ漁りをしだした。
「あれ‥‥?ここ‥‥どこ?ん?‥あれ?ってゆうか‥‥‥オレは‥‥‥誰だ?」
男は記憶喪失だった。
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