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優しい音 第二章

[161]  RIA  2007-10-29投稿
『折れ始めた翼』
渋谷のとあるラブホテル
「おはよぅございます」梨奈が重そうに扉を開ける。
髪のくしゃくしゃな女が煙草を吸いながら札束を数えている。イヤらしい香水の匂いと煙の中いつものように受付の椅子に座った。梨奈のバイト先、数えた事はないがもう結構この女と一緒にいる気がした。正美さん・32歳・普段なにをしているかわからない謎の女。いつものように受付にいると常連のオヤジが1人でやってきた。「やぁ梨奈ちゃん」妖艶な笑みを浮かべた。チェックインをするとニヤっと梨奈の手を触りエレベーターに乗った。
「正美さん、あたしやっぱり嫌だなぁあの人…」
「…」
(またシカトだし)
ピンポーン、ドアが開いた。
いつもあのオヤジが呼ぶデルヘルのリサ。
「どーも」
「また?!好かれたもんだね」「それよりもまたクラブでブース出すとき呼んでや、めっちゃ楽しかったわぁ」
リサは何やかんや看護師になりたいみたいでお金が必要の為毎日誰かに抱かれてると言ってた。夢の為にそこまでしているリサがたまに切なく思えた。
「じゃあね」と手を振り部屋へ向かうリサの背中は今にも壊れそうなくらい痩せこけていた。「大変ですよね」
「…」(またシカトだし…)

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