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龍と狼59

[324]  武藤 岳  2007-10-30投稿
「私に代わって、定期的にあなたの下へ訪ねていた、ウッド氏が先日のテロ事件に巻き込まれて、亡くなりました。」

ウッド氏とは、スチュワート家へ出入りする際の、アイアンの偽名だった。

青年は悲し気な表現になった。

「とても、残念な事です。
そこにいらっしゃる奥様も、さぞお辛い事でしようね。」

柳田はこの質問に対する彼の反応をじっと観察していた。


彼は、純粋なスチュワート家の人間ではない。

十年前までは、日本人姓を持つ人間だった。

少年時代に“殺人”という、とても大きな罪を犯した彼は、法の裁きを受けた後、母方の親戚筋に預けられる事になった。


柳田は、その頃、日本で暗躍していた、エルム聖道教のアメリカでの活動拠点を探る為に、アメリカに長く滞在していた。

公安本部から柳田の滞在期間中、彼の監視、特に、殺人、破壊工作への関心の有無をチェックするように命を受けていた。

何故なら、少年時代の彼の部屋から押収された、夥しい数の書籍のほとんどが殺人と、各国の軍の特殊部隊の詳細や、破壊工作についての知識や理論、実行の手引など、少年犯罪の域を越えた、危険極まりない思想の持ち主だったからである。

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