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龍と狼60

[319]  武藤 岳  2007-10-30投稿
しかし、彼に大きな転機が訪れる。

彼が預けられていた、母方の親戚筋こそがスチュワート家の分家にあたった。

新しい分家の住人になった青年が、本家へ挨拶に赴いた際、本家の当主、ヘンリー・スチュワート卿の目に止まったのである。


当然、本家にも分家にも後継者がいたが、スチュワート卿は、当時の本家の後継者であるジェームズが、かなりの放蕩息子で、困り果てていた。

そんな彼の前に現れた、この青年は、世代的にも息子に近く、頭脳明晰、何と言ってもオリエンタルな風貌の美男子で、息子と比較すると天と地ほどの差を感じさせた。

まがりなりにも、スチュワート家の血が入っている人間である。

日本人とアメリカ人のハーフである事や、過去の罪など、スチュワート卿にしてみれば大した問題ではなかった。

時間をかけ、帝王学などの英才教育を受けさせ、青年が25歳の時、養子として本家に入り、正式な後継者になったのである。

社会や、政財界には大きなセンセーショナルだった。

元々、イギリスの名門貴族から始まったスチュワート家の次期当主が、日本人とアメリカ人のハーフなのだ。

人種差別が根強く残る国では、前代未聞、異例の出来事だった。


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