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航宙機動部隊前史・17

[434]  まっかつ  2007-10-31投稿
航宙遊牧民族は次第に、太陽系連邦に反感を持つ一般諸国にも勢力を伸ばして、次第に対峙の姿勢を深めて行った。
又、各中小国家群の宇宙連盟=太陽系連邦体制による不満・批判も確かに高まっていた。
銀河元号六星紀一杯でも、人類が新たに開拓出来た惑星は僅かに一二・これまでに可住化された惑星含めた新規入植者累計は四億四000万人に過ぎなかった。
逆に惑星を離れ、人工植民体や、遊牧民族や狩猟民族に【鞍替え】した離植者総数は、同じ時期で八000万人にも達していた。
詰まり、宇宙連盟が推進して来た惑星入植政策は今だ下火であり、反面、本来ならアングラ・アウトロー勢力な筈の航宙遊牧・狩猟民族側が、反比例的に強大化・隆盛を極める宙際情勢になって行ったのだ。

このままでは宇宙は遊牧民族に呑み込まれる―\r
そう危機感を募らせた太陽系連邦は、既に目減りを極めていた権益の大半を棄て、有人惑星を擁する星系諸国の糾合を図った。
合わせて、彼等はこの頃初めて自分を【農耕民】・【定住民】であると意識し出す様になった。
国家百年の計と言われる様に、惑星開発には地球時代の農業に匹敵する長い時間と忍耐強さが必要だったし、一度可住化した惑星に根を下ろせば、その場から離れるのは容易ではなく、正しく地縁的な運命共同体として、大半の人がその場所と生死を共にしなければならない事、これも地球時代の村落や都市国家と酷似していたのだ。

航宙遊牧民族は良くも悪くも定住せず、合理的で機動力があるが、一つ所を死守して経営する視野や思想には欠けていた。
それは彼等からすれば【時間のムダ】以外の何物でもなかった。
当初こそは、太陽系連邦への抵抗を旗印に、星系諸国の希望の星として振る舞った彼等ではあったが、一度提携なり同盟関係なりが始まると、定住民族との間で価値観・習慣の違いに基づく対立や摩擦が激化して行った。

緻密かつ繊細な計画的施策を必要とする有人星系に、彼等が持ち込んだのは収奪・闘争・数値万能主義だった。
混乱し荒廃した星系が続出したが、仮に住めなくなったら自分達と一緒に超高速航行都市に乗り込めば良いだけじゃないかと言うのが、遊牧民族側のスタンスだった。

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