僕らは 第七話
「あんたさ、こいつが何で遅刻したか知ってるか?」
甲斐は顎で僕を指した。僕は訳が分からなかったので、黙って成り行きを見守った。
「あぁ?何でだ?」
「オレが今朝、こいつに絡んで金を取ったからだよ。」
「何!?」
「あんたは気の毒な被害者に散々説教喰らわせてたんだ。」
ようやく僕は、甲斐が僕をかばおうとしていることを悟った。急いで否定しようとしたが、言葉が何故か喉の奥で詰まってしまった。
僕が自分の喉と格闘している間に、甲斐の処分が決まった。一週間の自宅謹慎、停学だ。
僕と甲斐は生徒指導室を出て、しばらく二人で廊下を歩いた。職員室の前を通り過ぎたとき、甲斐が僕に話し掛けた。
「上手くいって良かったな。」
僕は返事をしようと思ったが、まだ声が出ず不自然に口をぱくぱくさせていたら、甲斐が僕の喉に触れた。
「悪い、すっかり忘れてた。」
瞬間、甲斐の掌から白い光が出たが、すぐに消えてしまった。
僕は“開いた口が塞がらない”を絵に描いたように間抜けな顔をしてしまった。
「もう声出せるぜ?」
「え?あ、本当だ…」
僕はあまりのことに驚いて、喋るという能力が自分にも備わっていることを忘れていた。
甲斐は顎で僕を指した。僕は訳が分からなかったので、黙って成り行きを見守った。
「あぁ?何でだ?」
「オレが今朝、こいつに絡んで金を取ったからだよ。」
「何!?」
「あんたは気の毒な被害者に散々説教喰らわせてたんだ。」
ようやく僕は、甲斐が僕をかばおうとしていることを悟った。急いで否定しようとしたが、言葉が何故か喉の奥で詰まってしまった。
僕が自分の喉と格闘している間に、甲斐の処分が決まった。一週間の自宅謹慎、停学だ。
僕と甲斐は生徒指導室を出て、しばらく二人で廊下を歩いた。職員室の前を通り過ぎたとき、甲斐が僕に話し掛けた。
「上手くいって良かったな。」
僕は返事をしようと思ったが、まだ声が出ず不自然に口をぱくぱくさせていたら、甲斐が僕の喉に触れた。
「悪い、すっかり忘れてた。」
瞬間、甲斐の掌から白い光が出たが、すぐに消えてしまった。
僕は“開いた口が塞がらない”を絵に描いたように間抜けな顔をしてしまった。
「もう声出せるぜ?」
「え?あ、本当だ…」
僕はあまりのことに驚いて、喋るという能力が自分にも備わっていることを忘れていた。
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