僕らは 第十四話
「だって、凌駕が僕の耳を止めるからだろ?」
僕が反論すると、凌駕は、今度は大声で笑った。しかし、その笑い声ですら、僕には悲しみを押し殺した声に聞こえてならなかった。
「何かあった?」
僕が訊くと、凌駕は笑うのをやめ、小さく溜め息をついた。
「別に、何もねぇよ…今はな。」
「今は?じゃあ、いつか何かあったんだ?」
「まぁ、色々な。お前だってそうなんじゃねぇの?」
「え?」
「お前って、何しててもずっと、辛そうだからさ。」
僕は、凌駕があの事件を知らないと分かった。そして同時に、凌駕がどれほど優しい人間なのかも、胸に突き刺さるように感じた。
僕には、今まで本当の凌駕が見えていなかった。それなのに凌駕は、ずっと本当の僕を見ていてくれていたんだ…。
そう思うと涙が溢れてきたが、凌駕に気付かれないように急いで拭った。
「お前さ、何でも一人で背負い込むなよ?オレらはダチなんだ。二人で分け合おうぜ。」
僕は嬉しかった。こんな醜い世界にも、凌駕のような人間がいてくれたこと、そしてその凌駕が僕を友達だと言ってくれたことが、ただ嬉しく、誇らしかった。
僕が反論すると、凌駕は、今度は大声で笑った。しかし、その笑い声ですら、僕には悲しみを押し殺した声に聞こえてならなかった。
「何かあった?」
僕が訊くと、凌駕は笑うのをやめ、小さく溜め息をついた。
「別に、何もねぇよ…今はな。」
「今は?じゃあ、いつか何かあったんだ?」
「まぁ、色々な。お前だってそうなんじゃねぇの?」
「え?」
「お前って、何しててもずっと、辛そうだからさ。」
僕は、凌駕があの事件を知らないと分かった。そして同時に、凌駕がどれほど優しい人間なのかも、胸に突き刺さるように感じた。
僕には、今まで本当の凌駕が見えていなかった。それなのに凌駕は、ずっと本当の僕を見ていてくれていたんだ…。
そう思うと涙が溢れてきたが、凌駕に気付かれないように急いで拭った。
「お前さ、何でも一人で背負い込むなよ?オレらはダチなんだ。二人で分け合おうぜ。」
僕は嬉しかった。こんな醜い世界にも、凌駕のような人間がいてくれたこと、そしてその凌駕が僕を友達だと言ってくれたことが、ただ嬉しく、誇らしかった。
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