龍と狼73
「じゃあ、俺が“日本の総理大臣を狙ってる”と答えたら、どうするんだっ?」
「どうもしない。俺は公安、そう、スパイだし、今はイリーガル(非正規職員)なわけだから、何もできない」
柳田はあっさりと言った。
ソンスンはその言葉にいよいよ興奮しだした。
「あんたはバカか?
イリーガルだろうと何だろうと、自国の総理や大統領が狙われていると知ったら、阻止して当然だろ?
あんたは、何の為に、この仕事をしているんだ?」
少し間を置いて、柳田は答えた。
「自分の為だ。俺は過去にケビンの為に、半分の人生を棒に振った。
だからこそ、あの時の汚点を取り消す為に此処へ来たんだ。だからこそ、自分の為にやるんだ。それが、家族の為、ひいては国民の為、国家の為に繋がるんだ!」
「違う!!
国家の事を思えばこそだ。それが、国民の為、家族の為、自分の為に繋がる!」
思わぬ所で意見が対立した。
その時、車が急停止した。
柳田もソンスンも前に突っ込んだ。
しかし、アイリーンは冷静だった。
「ヤナギ・・・、どうする?
空港へ行く道に、軍の検問が敷かれているわ。」
「警察じゃなくて、軍が動いてるのか・・・。まいったな。」
「どうもしない。俺は公安、そう、スパイだし、今はイリーガル(非正規職員)なわけだから、何もできない」
柳田はあっさりと言った。
ソンスンはその言葉にいよいよ興奮しだした。
「あんたはバカか?
イリーガルだろうと何だろうと、自国の総理や大統領が狙われていると知ったら、阻止して当然だろ?
あんたは、何の為に、この仕事をしているんだ?」
少し間を置いて、柳田は答えた。
「自分の為だ。俺は過去にケビンの為に、半分の人生を棒に振った。
だからこそ、あの時の汚点を取り消す為に此処へ来たんだ。だからこそ、自分の為にやるんだ。それが、家族の為、ひいては国民の為、国家の為に繋がるんだ!」
「違う!!
国家の事を思えばこそだ。それが、国民の為、家族の為、自分の為に繋がる!」
思わぬ所で意見が対立した。
その時、車が急停止した。
柳田もソンスンも前に突っ込んだ。
しかし、アイリーンは冷静だった。
「ヤナギ・・・、どうする?
空港へ行く道に、軍の検問が敷かれているわ。」
「警察じゃなくて、軍が動いてるのか・・・。まいったな。」
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