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僕らは 第二十話

[273]  unknown soloist.  2007-11-02投稿
「甲斐、とうとうお前は年下だけじゃなく、他校の生徒にまで手を出したか。あぁ?」
凌駕は黙っていた。
僕は急いで真実を伝えようとしたが、声が出なかった。
凌駕が僕の喉を停止させたのだ。何故そんなことをするのか、僕には分からなかった。
榊原が凌駕に、ねちねちと嫌味をぶつけ始めたが、凌駕は何かを待っているように、じっと目を閉じている。
そのとき、女子生徒の一人が口を挟んだ。
「先生!甲斐くんは、この男の子を助けたんです!」
「何だと?」
その瞬間、凌駕の口元が僅かに微笑みを洩らしたのを、僕は見逃さなかった。
しかし、この女子は事件を途中からしか見ていなかったはずだ。何故分かるのだろうと、僕は不思議に思った。
「おい、お前!それは本当か?」
榊原は、少年を睨みつけた。
少年は小刻みに震えていたが、力強く頷いた。女子生徒たちも皆、頷いていた。
凌駕は目を開けた。
その瞬間、僕は凌駕が僕の喉を止めた理由が分かった。
「おい甲斐!何でお前は最初からそう言わないんだ?」
「さぁね。」

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