僕らは 第二十九話
僕らは翌日、学校を休み、公園に向かった。
ブランコに並んで腰掛けてみたものの、僕はどうして良いか分からず、黙っていた。
すると、凌駕がぽつりと言った。
「お前も、オレに関わらねぇ方が良いんじゃねぇの?」
僕は凌駕に、僕が凌駕よりも己の命を選ぶ人間だと思われている気がして、悲しくて堪らなかった。
「僕は…あの夜死んでたはずだった。」
そう、父さんが一家心中を図った、あの忌まわしい夜に。
しかし僕は生き残った。それは何故か?
「きっと僕は、凌駕に出会うために生き残ったんだ。」
凌駕は僕を見たが、僕は照れ臭くて凌駕の方を見れなかった。
「僕は長生きするより、ほんの短い人生でも笑って死ねる方が良いよ。」
「でもオレは…オレのせいで誰かが死ぬのは嫌だ。」
「もし本当に凌駕のせいだったとしても、きっとその人は、凌駕に心を救われてたはずだよ。」
凌駕は目を見開いた。今まで、そんな考えは微塵も浮かばなかったのだろう。
「有り得ねぇよ。」
「それ、昨日僕が言った言葉と同じだね。」
一瞬の間があってから、凌駕は笑い出した。
しかし同時に、目からは涙が溢れた。
「やっと笑った。僕、凌駕にはそうやって笑っててほしいな。」
「何だよ、それ。お前も笑え。オレだけ笑ってたら変人みてぇじゃねぇか。」
僕らは笑った。
まだ、順也の死の悲しみは薄れてはいなかったが、ひたすら笑った。そうすれば心が軽くなる気がした。
ブランコに並んで腰掛けてみたものの、僕はどうして良いか分からず、黙っていた。
すると、凌駕がぽつりと言った。
「お前も、オレに関わらねぇ方が良いんじゃねぇの?」
僕は凌駕に、僕が凌駕よりも己の命を選ぶ人間だと思われている気がして、悲しくて堪らなかった。
「僕は…あの夜死んでたはずだった。」
そう、父さんが一家心中を図った、あの忌まわしい夜に。
しかし僕は生き残った。それは何故か?
「きっと僕は、凌駕に出会うために生き残ったんだ。」
凌駕は僕を見たが、僕は照れ臭くて凌駕の方を見れなかった。
「僕は長生きするより、ほんの短い人生でも笑って死ねる方が良いよ。」
「でもオレは…オレのせいで誰かが死ぬのは嫌だ。」
「もし本当に凌駕のせいだったとしても、きっとその人は、凌駕に心を救われてたはずだよ。」
凌駕は目を見開いた。今まで、そんな考えは微塵も浮かばなかったのだろう。
「有り得ねぇよ。」
「それ、昨日僕が言った言葉と同じだね。」
一瞬の間があってから、凌駕は笑い出した。
しかし同時に、目からは涙が溢れた。
「やっと笑った。僕、凌駕にはそうやって笑っててほしいな。」
「何だよ、それ。お前も笑え。オレだけ笑ってたら変人みてぇじゃねぇか。」
僕らは笑った。
まだ、順也の死の悲しみは薄れてはいなかったが、ひたすら笑った。そうすれば心が軽くなる気がした。
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