リフェード6
その日、3人は『フォールド』とここで育った者達がそう呼ぶ学びやで夜を明かした。
設立者であるゼフが皆を大きな愛で包みたいと言う意味でフォールドと名付けたのだ。長老と呼ばれるのもそれが理由だ。
ここには孤児が保護されている。その中の魔術師の素質を持つ者がレジェンドとしての訓練を受けるのだ。
中にはレジェンドになるために志願して訪れた者もいるが、それは未だに金髪の青年ただ1人のみである。
わざわざ人外との戦場の真っ只中に派遣され、死に急ぐ真似をする者など普通はいない。
志願した理由を問うと『親父に行けって言われた』と笑って答える。
とても常識ある親とは思えないが、ラウルとレイスは前者に当たる為、肉親がいる彼を羨ましく思うのだった。
レジェンドにはフォールドから各々に指令が出される。
人外となる魔物の討伐が主な役目。孤児の保護、魔装機と呼ばれる古人の遺産の収集も任務の内だがそれらは滅多にない。
そして過去、この世界に聖人がいた。それは強大な力を持ち魔術を使い魔物を退けたとされる。
現在、聖人はどこかに姿を消した。数々の遺産とそれと人間の間に生まれた者達を残して…
魔術師の素質がある者とはその血をひく者達である。
少し古びた蝶番が動く時の独特の音が部屋に響く。
『二人とも早く起きてはくれないか』
少年と常識外れな親をもつ青年に、どこか落胆した声で言うと窓に歩を進め開け放つ。
穏やかな風が部屋を通り抜ける。外では小鳥がさえずり、春独特の柔らかい光が彼らの重い瞼をくすぐり意識の覚醒を強要する。
『あっ!レイスおはよう』
にこにこと元気に言う。少年は髪を跳ねさせている。
『ちっ、朝からてめぇの声で目覚めるなんて日を夢にも思わなかったぜ』
目を擦り眠たげな表情を浮かべ悪態をつく。レジェンドには個室が与えられるのだが、どうやら少年が青年の部屋に押し掛けみたいだ。
少年はソファーで寝ていた。それから彼らは以前からこうやって互いの部屋で寝るほど仲が良かったと伺える。
設立者であるゼフが皆を大きな愛で包みたいと言う意味でフォールドと名付けたのだ。長老と呼ばれるのもそれが理由だ。
ここには孤児が保護されている。その中の魔術師の素質を持つ者がレジェンドとしての訓練を受けるのだ。
中にはレジェンドになるために志願して訪れた者もいるが、それは未だに金髪の青年ただ1人のみである。
わざわざ人外との戦場の真っ只中に派遣され、死に急ぐ真似をする者など普通はいない。
志願した理由を問うと『親父に行けって言われた』と笑って答える。
とても常識ある親とは思えないが、ラウルとレイスは前者に当たる為、肉親がいる彼を羨ましく思うのだった。
レジェンドにはフォールドから各々に指令が出される。
人外となる魔物の討伐が主な役目。孤児の保護、魔装機と呼ばれる古人の遺産の収集も任務の内だがそれらは滅多にない。
そして過去、この世界に聖人がいた。それは強大な力を持ち魔術を使い魔物を退けたとされる。
現在、聖人はどこかに姿を消した。数々の遺産とそれと人間の間に生まれた者達を残して…
魔術師の素質がある者とはその血をひく者達である。
少し古びた蝶番が動く時の独特の音が部屋に響く。
『二人とも早く起きてはくれないか』
少年と常識外れな親をもつ青年に、どこか落胆した声で言うと窓に歩を進め開け放つ。
穏やかな風が部屋を通り抜ける。外では小鳥がさえずり、春独特の柔らかい光が彼らの重い瞼をくすぐり意識の覚醒を強要する。
『あっ!レイスおはよう』
にこにこと元気に言う。少年は髪を跳ねさせている。
『ちっ、朝からてめぇの声で目覚めるなんて日を夢にも思わなかったぜ』
目を擦り眠たげな表情を浮かべ悪態をつく。レジェンドには個室が与えられるのだが、どうやら少年が青年の部屋に押し掛けみたいだ。
少年はソファーで寝ていた。それから彼らは以前からこうやって互いの部屋で寝るほど仲が良かったと伺える。
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