優しい音 第八章
『折れた翼』
次の日バイト中睡魔と戦う梨奈。ピンポーン ドアが開く。｢あれ？りさ、今日先入り？｣りさがお客より先にくることはめったにない。｢ちょっとりさ顔色悪くない？｣りさはぼーっと立ったまま何も返事をしない。梨奈とりさの関係はたまにクラブへ行く仲…深い話はしないけど梨奈と一緒にいるりさはいつも楽しそうにしていた。元気のないりさに｢そんなんじゃかわいぃ顔がだいないしよ。辛かったら今日はやめとけば？｣｢ありがとう…｣か細い声で答えた。｢でも今日が最後だから…ありがとね｣梨奈は安心した。その言葉の意味を知るまでは…
｢ねぇりさ！いい音聴きに来週クラブいかない？｣りさは微笑み｢ありがと｣と言いエレベーターに乗っていった。今日は機嫌の良いまさみさんとふざけた会話をしてふと時計をみると、りさが入室してから二時間も経っていた。それらしい客も来ていないことに気付きまさみさんと顔を見合わせた。｢ちょっと電話してみよ｣してみたがりさは出ない。その時まさみさんが部屋の鍵を即座に持ち階段を駆け登った。なにごとだ？と梨奈もまさみさんの後を追った。ドアが開かれた部屋にはいろうとする梨奈に｢梨奈は入るんじゃないよ！｣とまさみさんが怒鳴った。まさみさんが電話をかけている。梨奈はどうしてよいかわからなかった。少し経つと救急車の音が聞こえた。それと同時にまさみさんが階段を駆け降りた。梨奈は意を決して部屋に入った。部屋はソープの香りが充満していた。梨奈はベットに横たわるりさを見つけた。びしょ濡れの痩せ細ったりさの身体にバスローブが掛けられて首には真っ赤に染まったタオルが巻かれていた。腕には無数の痣があった。｢り…さ…｣｢どいて！｣と大声で叫ばれた。数人の救急隊員に抱き抱えられ救急車に乗せられた。梨奈を見るなりまさみさんは梨奈をつよくだきしめた。 続く
次の日バイト中睡魔と戦う梨奈。ピンポーン ドアが開く。｢あれ？りさ、今日先入り？｣りさがお客より先にくることはめったにない。｢ちょっとりさ顔色悪くない？｣りさはぼーっと立ったまま何も返事をしない。梨奈とりさの関係はたまにクラブへ行く仲…深い話はしないけど梨奈と一緒にいるりさはいつも楽しそうにしていた。元気のないりさに｢そんなんじゃかわいぃ顔がだいないしよ。辛かったら今日はやめとけば？｣｢ありがとう…｣か細い声で答えた。｢でも今日が最後だから…ありがとね｣梨奈は安心した。その言葉の意味を知るまでは…
｢ねぇりさ！いい音聴きに来週クラブいかない？｣りさは微笑み｢ありがと｣と言いエレベーターに乗っていった。今日は機嫌の良いまさみさんとふざけた会話をしてふと時計をみると、りさが入室してから二時間も経っていた。それらしい客も来ていないことに気付きまさみさんと顔を見合わせた。｢ちょっと電話してみよ｣してみたがりさは出ない。その時まさみさんが部屋の鍵を即座に持ち階段を駆け登った。なにごとだ？と梨奈もまさみさんの後を追った。ドアが開かれた部屋にはいろうとする梨奈に｢梨奈は入るんじゃないよ！｣とまさみさんが怒鳴った。まさみさんが電話をかけている。梨奈はどうしてよいかわからなかった。少し経つと救急車の音が聞こえた。それと同時にまさみさんが階段を駆け降りた。梨奈は意を決して部屋に入った。部屋はソープの香りが充満していた。梨奈はベットに横たわるりさを見つけた。びしょ濡れの痩せ細ったりさの身体にバスローブが掛けられて首には真っ赤に染まったタオルが巻かれていた。腕には無数の痣があった。｢り…さ…｣｢どいて！｣と大声で叫ばれた。数人の救急隊員に抱き抱えられ救急車に乗せられた。梨奈を見るなりまさみさんは梨奈をつよくだきしめた。 続く
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