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バスターズ!・第五話「足音」

[656]  博上 文  2005-10-17投稿
バリバリバリィ!
「おわっ!?」
突然轟音が鳴り響く。驚いて龍一は尻餅をついてしまった。
(なんだ!?何が起きたんだ!?)よく見ると前方にある十字路の左側から砂煙が舞い、木の破片が散らばっている。木はどうやら板壁の材木のようだ。砂煙の舞う方から何か音が聞こえた・・・。「ヒタッ・・ヒタッ・・」それはまるで『足音』のようだった。しかし龍一はこんな『足音』は聞いたことがなかった。あまりにも生々しくそして冷たい・・・。少なくとも普通の生き物の『足音』ではない。そう思った龍一は後ろを向いて走りだしていた。後ろから音がする。
「ヒタッ・・ヒタッ・・」その『足音』は一瞬止まった、そして・・・、
「ヒタッ・・ヒタッ・・トッ、トッ、トッ、トッ、ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!」(うわ・・ひいっ・・!)足音がどんどん大きくなる。体中を恐怖がかけめぐる。
「ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ドンッ・・!!」
足音が止んだ。龍一は逃げ切れたのかと思い、立ち止まって恐る恐る後ろを向いて見る。そこには何もいなかった。「はあ・・良かった、逃げ切れたんだ・・」龍一はため息を吐いて安堵した。しかし、それは束の間のことだった。

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