携帯小説!(PC版)

秘密

[393]  MEGU  2007-11-04投稿
彼の薬指のリング。
あの日以来、彼と話せていない。
勿論、仕事の話しはしてる。
ただ…リングの事は聞けない。
彼が付けていたのはあの日だけだったから。
もっと聞けなくなった。
もっと疑問が増えた。
もっと不安になって。
もっと疑って。
もっと好きになってた。
彼も何も言わないまま。
彼女も何も聞かないまま。
二人は変わらなかった。
変われなかった。

終わりは突然来た。
彼に渡された。
結婚式の招待状。
悪びれもせず。
申し訳なさもなく。
照れもせず。
嬉しさもなく。
ただ、渡された。
あのリングは…本物だった。
ファッションリング。
お爺ちゃんの形見。
両親からのプレゼント。
どれも有り得なかった。
それでも彼女は理由を捜す。
納得したかった。
納得するしかなかった。
納得…した。
たった1回だったから。
ただの指輪だから。
たかが指輪だから。
彼はフィアンセに逢わせた。
綺麗な人だった。
大人だった。
艶かだった。
お腹が可愛いかった。
まるで敵わなかった。
彼女は初めて嫌悪感を覚えた。
それは彼に対して。
それは男に対して。
それは女に対して。
解らなかった。
解ろうとはしなかった。
解りたくはなかった。
初めての大人の恋だった。
彼女はもう一人で良いと思った。
一生分の恋をしたと思った。
海で泣いてもみたし。
叫んでもみたし。
腰まで海に浸かってもみたし。
雨にうたれてもみたし。
1日食べずにいたし。
彼女は歩き出した。
歩き出したのに。
誰かがそれを許してくれなかった。
鳴り止まない電話。
バイト先へのFAX。
営業の担当が換わった。
誰か分かった。
営業の担当が換わった日。
電話が鳴り止んだ。
営業の担当換わった日。
彼女にクビが告げられた。
全て終わった。

彼女には秘密が出来た。
彼と彼女は会っている。

18歳だった。
彼女は大学進学を諦め専門学校を撰んだ。
親元から早く離れたくて。
ただ自由が欲しい。
ただ時間が欲しい。
ただ一人になりたい。
今日から自由…ではなかった。
彼女は女子寮の前にいた。

感想

感想はありません。

「 MEGU 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス