なくしたモノ[6]
「疲れたぁ〜」
家に着くなり自然に出てしまった。
「コラ、ただいまでしょ?」
奥からお母さんが出てきた。
「どぉだった?友達できた?具合は悪くならなかった?何か変わったコト、あった?」
「いっぺんに聞かないでよ。友達できたしなんも変わったコトなんてなかったよ。」
嘘をついた。
気絶したなんて、とても過保護な母には言えない。心配かけたくない。不思議だけど、今はただ、猛烈にそう思う。
「そう。よかった。着替えてきなさい、ご飯にしましょ。」
洗面所で恐る恐る髪をかきあげてみる。やっぱり、空いてる。一つは耳たぶの丁度真ん中くらい、もう一つはそのすぐ上に、火傷みたいに回りが赤く腫れている。
さっきほどではないが、頭が割れるように痛い。
怖い。
鏡に映る自分が、他人に見える。どうして私はこの肉体の中にいるんだろう。なんのために、私は私として生み出されたんだろう。
虚無感。
違う。これは、
何?
頭の奥で声がする、
誰?
「お前は・・・・・めに・・・・・・だろ?」
何?
鏡の自分、いや、鏡の中の他人と見つめ合う。手と手を重ねる。
なんなの?
「お前は、俺のためだけに存在するんだろ?」
家に着くなり自然に出てしまった。
「コラ、ただいまでしょ?」
奥からお母さんが出てきた。
「どぉだった?友達できた?具合は悪くならなかった?何か変わったコト、あった?」
「いっぺんに聞かないでよ。友達できたしなんも変わったコトなんてなかったよ。」
嘘をついた。
気絶したなんて、とても過保護な母には言えない。心配かけたくない。不思議だけど、今はただ、猛烈にそう思う。
「そう。よかった。着替えてきなさい、ご飯にしましょ。」
洗面所で恐る恐る髪をかきあげてみる。やっぱり、空いてる。一つは耳たぶの丁度真ん中くらい、もう一つはそのすぐ上に、火傷みたいに回りが赤く腫れている。
さっきほどではないが、頭が割れるように痛い。
怖い。
鏡に映る自分が、他人に見える。どうして私はこの肉体の中にいるんだろう。なんのために、私は私として生み出されたんだろう。
虚無感。
違う。これは、
何?
頭の奥で声がする、
誰?
「お前は・・・・・めに・・・・・・だろ?」
何?
鏡の自分、いや、鏡の中の他人と見つめ合う。手と手を重ねる。
なんなの?
「お前は、俺のためだけに存在するんだろ?」
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