あの日...ボクが...1
雪が溶けだした4月…
中学1年の春、この恋は始まった。
その当時僕は、ごく普通の毎日を過ごしていた。
異性に興味を持ちだす年頃もあってか〈彼女〉という存在に強く憧れを抱いていた。
そんなある日友達の九州男から一本の電話が入った。
「もしもし...」
「おう、九州男だけど今度の土曜空いてる?」
「まぁ空いてるけど...。どうした?」
「うん。俺彼女出来たんだけどデートに付き合ってもらおうと思ってさぁ」
「俺相手いないからぃぃや。」
「心配すんな。ちゃんと用意してるから。それじゃ土曜の朝10時にいつものとこで...じゃあ。」
僕はなぜかむしゃくしゃした。
理由はわからなかったが...
そんなこんなでとうとう約束の日が来た。
僕はまだ行くか行かないかで悩んでいた...。
何故なら僕には気になる人がいたから。
そんなことを考えていると聞き覚えのある声が家に響いた...
「お〜いっ。早く準備しろ。」
九州男である。
僕は嫌々着替えを済まし下に降りた。
「迎えに来なくても行くよ。」
僕は心にも無いことを口にして待ち合わせ場所に向かった。
約束の時間より20分も早く着いた僕たちは時間をつぶすために近くのコンビニへ行った。
僕は本を眺めながら九州男に聞いた。
「今日来る子ってどんな人???」
「俺も見たときないからわかんないけど可愛いらしいぞ。」
「ふーん。そうなんだぁ。」
素っ気ない態度をとったにも関わらず僕の気持ちは高ぶっていた。
可愛いらしいの一言がかなりキイたようだ。
しかし九州男は続けてこう言った。
「この前彼氏と別れたばかりらしい...」
僕は言葉を失った。
なにせそういう状況は初めてだったのでどう接していいのかわからなかった...。
10時、5分前になったので待ち合わせ場所に向かうとそこには女の子2人が立っていた。
「待ったぁ???」
九州男が声をかけた。
「ううん。今着いたとこ。」
「あっ、紹介するねっ。俺の友達のさく。」
「どうもさくです。よろしく。」
「どうも。九州男の彼女の由佳です。あたしの友達の春菜。」
「春菜です。今日はよろしくお願いします。」
これが春菜との出会いでした。
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