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あの日の雨

[195]  ふく  2007-11-06投稿
『俺、雨嫌いなんだよね』
窓の外を眺めながら肘をついてけだるくあなたは言う
一番聞きたくなかった別れの言葉を聞く日が来た

朝の大雨注意報を聞いた時から何となく嫌な予感がしていた
こんな雨の日に呼び出された時
胸がざわついた

雨は好きだった
あなたに会いに行けるはずなのに何故かこの日は足が重かった

『もう終りだよ』
言い放たれた言葉は外の雨の音で良く聞こえなかった

何故この日を選んだのか
何故あなたが嫌いな雨の日を選んだのか
皮肉にも雨だっただけなのか

外を眺めるあなたにつられて私も外を眺める
雨の音がうるさい
言い返す言葉が見付からない

雨の音を聞いていたら
もういいかって思えてくる
悲しいけど
別れは辛いけど
あなたがそれを選んだならそれでいい
引き止める術も上手い言葉も幼なすぎる私には何も思い付かない
だからただ外を眺めて泣かないようにじっと我慢した

あなたのため息が雨の音に紛れて聞こえた
顔を見ることが出来なくて降り続く雨を睨み付けた

窓に流れる雨の雫のせいなのか
私の目から流れる涙のせいなのか
良く外の景色が見えない




あの日から雨の日が嫌いになった
思い出して辛くなるから

だけど
どんなに晴れた日でも心が晴れることはない
あなたがいない毎日は明るくも輝いてもいない

今日は雲一つ無い気持ちがいいくらいの快晴
こんなに太陽が眩しいのに
こんなに暖かくてキラキラ輝いているのに


私の中にはあの日の雨が降り続く
あなたに永遠の別れを告げられたあの日の雨の音が
いつまでも耳に残って
私の心に悲しく響き渡る

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