曇り空と恋の色。
今日も朝から曇りがち。
朝は弱いの。
少しの間だけど、欠伸を噛み締めながらボーとする。
日課なの。
制服に腕を通せば目が覚める。
単純なの。
髪型をセットして笑顔の確認。
準備が肝心でしょ?
学校に着いたら言うの。
『おはよう』
とびきりの笑顔でね。
これが重要。
そして、探るの。
彼の表情を。
何気ない仕草に目を光らせて。
小さな動きもチラッと見るの。
ストーカーみたい。
ううん、違う。
恋する女の子はみんな気になってしまうの。
なかなか動き出せないから、目で追ってしまうの。
どうか、どうか。
勘違いはしないでね。
睨んでるわけじゃないの。
迷惑がっている視線とも違うの。
むしろ、逆なの。
『はい。ペン、落ちてたよ』
笑うのは、君がいるから。
見ちゃうのだって、君がいるからだよ。
朝の準備も、元気な挨拶だって。
誰よりも君に気付いてもらいたいよ。
『ありがとう』
曇り空と恋の色。
君が見せるマジック。
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