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優しい音

[186]  RIA  2007-11-08投稿
『東京の雪』
スクランブルを挟んで誠人は叫んだ。
「梨奈!梨奈!」
その声に周りの人も誠人を見る。梨奈も振り返る。
「誠人…」
「梨奈!ごめん!幸せにできるかわかんねぇけど俺はお前と子供を守るよ!だからそばにいてほしい!」
偶然に武士たちも梨奈を見つけ誠人の叫んでいる声を聞いた。信号が青に変わり梨奈が誠人に駆け寄った時…

「キャー」と誠人の後ろにいる女子高生が叫んだ。

グサッと鈍い音がした。梨奈は走る足を止めた。誠人の後ろにピッタリとくっついている女がいた。

ドサッと誠人が倒れた。

その時すべてがスローに見えた。後ろから武士が叫ぶ。
真っ白のワンピースが真っ赤になってる女を武士が突き飛ばした。警察もすぐ駆け寄ってきた。
梨奈は倒れる誠人にゆっくり近づき抱きしめた。


「まこ、もうすぐパパだよ、三人でずっと一緒だよ」

何も反応しない誠人の頭をなで梨奈は静かに涙を流した。



12月18日
東京では初雪が降った。
まるでふたりを包むかのようにそれは優しく降っていた。


救急車に乗せられた誠人と梨奈。
それを追うかのようにその女が狂った声で叫んだ。

「誠人はあたしの物よ!あんたには渡さない!」

梨奈は救急車を降りた。
「すぐに向かいます。誠人をお願いします」
梨奈は頭を下げすたすたとその女のところへ歩き出した。連行される彼女の前に立ち梨奈は言った。
「あんたがどれだけ誠人を好きかは知らないけど誠人は物じゃないんだよ!あんたの物でもない、あたしの物でもない!誠人は人間なんだよ!生きてるんだ!他人が傷つけたり壊したりしていいわけねぇだろ!あたしはもう母親なんだ!一生懸けてこの子と誠人を守る、次誠人を刺したくなったら変わりにアタシの事刺しな!お前には命張って守ってくれる人いないんだろう!」
武士が駆け寄り
「梨奈もう行こう、まこの所。」


その日は寒空がやけに綺麗だった。

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