二つのグラス
あなたが出て行ってから
この部屋にいることだけでやっとだった
だけど
いつかまたあなたが
『ただいま』って何もなかったように戻って来てくれるような気がして
わずかな期待だけで待ち続けた
あなたの荷物も家具も靴も歯ブラシも
全部無くなっていて
残されたのは沢山の思い出とあなたの匂いだけ
何度も出て行くことを考えた
一人で暮らすにはこの部屋は広過ぎる
思い出が多過ぎる
駅までの道も
近くの喫茶店も
洋服屋も
全てがあなたとの思い出でいっぱいで
ここにいるだけで記憶が何度も甦る
わずかな期待も思い出と共に捨てようと何度も決心してはまた玄関を眺める
テーブルには二つのグラス
あなたとこの部屋で暮らし始めてから初めて一緒に買った物
幸せが詰まった宝物
あなたがこの片方のグラスを捨てなかったのは
このテーブルに二つ並べて出て行ったのは
私への最後のメッセージだったのかもしれない
『ありがとう』
そう言ってくれているようで
どうしてもその意味が知りたくて並べられたままそこにずっと置いている
悲しく寄り添った二つのグラス
捨て切れないでいたけど見れば見るほど辛くなって
宝物なんてきれいごとを言っている自分が嫌になる
あなたがいなければもういらない
頭の中がおかしくなる
どうでもいい
そう思った瞬間
無意識に片方のグラスは壁に投げ付けられ粉々に割れた
頭が真っ白になる
グラスのかけらを拾い集めて指から血が流れた
『痛い…』
涙が床に何滴も落ちる
指が痛いからじゃない
心が痛い
もう限界
あなたがいなければ私は駄目になる
我慢をすることも
待ち続けることも
もう限界
戻るはずはないと分かっている
この部屋を出よう
そう決意した途端
悲しみが爆発して体の中に溜め込んでいた涙が一気に溢れ出した
この部屋にいることだけでやっとだった
だけど
いつかまたあなたが
『ただいま』って何もなかったように戻って来てくれるような気がして
わずかな期待だけで待ち続けた
あなたの荷物も家具も靴も歯ブラシも
全部無くなっていて
残されたのは沢山の思い出とあなたの匂いだけ
何度も出て行くことを考えた
一人で暮らすにはこの部屋は広過ぎる
思い出が多過ぎる
駅までの道も
近くの喫茶店も
洋服屋も
全てがあなたとの思い出でいっぱいで
ここにいるだけで記憶が何度も甦る
わずかな期待も思い出と共に捨てようと何度も決心してはまた玄関を眺める
テーブルには二つのグラス
あなたとこの部屋で暮らし始めてから初めて一緒に買った物
幸せが詰まった宝物
あなたがこの片方のグラスを捨てなかったのは
このテーブルに二つ並べて出て行ったのは
私への最後のメッセージだったのかもしれない
『ありがとう』
そう言ってくれているようで
どうしてもその意味が知りたくて並べられたままそこにずっと置いている
悲しく寄り添った二つのグラス
捨て切れないでいたけど見れば見るほど辛くなって
宝物なんてきれいごとを言っている自分が嫌になる
あなたがいなければもういらない
頭の中がおかしくなる
どうでもいい
そう思った瞬間
無意識に片方のグラスは壁に投げ付けられ粉々に割れた
頭が真っ白になる
グラスのかけらを拾い集めて指から血が流れた
『痛い…』
涙が床に何滴も落ちる
指が痛いからじゃない
心が痛い
もう限界
あなたがいなければ私は駄目になる
我慢をすることも
待ち続けることも
もう限界
戻るはずはないと分かっている
この部屋を出よう
そう決意した途端
悲しみが爆発して体の中に溜め込んでいた涙が一気に溢れ出した
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