野良猫の家?
翌朝、私はまた壁に猫を描いているハルキを見付けた。しかし、今日のハルキには共犯者がいる。
私に気付くと、ハルキは大きく手を振った。
「サヤ姉!おはよ!」
「おはよう。また猫、描いてるの?」
「うん!今日はねぇ、ケイトとシュウも一緒なんだよ!」
ハルキは、共に落書きをしていた少年たちを紹介してくれた。
ケイトは、ブラウンの髪にグリーンの目、整った顔立ちの少年だ。しかし、左掌には大きな目があった。礼儀正しく頭を下げ、はじめまして、と挨拶してくれた。
一方、シュウは黒髪で色白、細身で背の高い少年だ。右腕に包帯を巻いていたが、私には右腕が2本あるのが分かった。シュウは何も言わず、落書きを続けていた。
彼らは外見的には比較的マシな被験者だ。何より顔が原型を保っている者は、何百人といる被験者の中でも数人しかいないと聞いた。
「ケントとシュウはねぇ、ボクのお友達なんだよ!だから、サヤ姉ともお友達!ね?」
ケントはこくこくと頷いた。シュウはまだ落書きに夢中だったが、私は嬉しかった。
友達が出来た。
ハルキの頭をくしゃくしゃと撫でると、ハルキの耳がぴょこっと立った。何て愛らしいんだろう。
「ねぇ、私も一緒に描いて良い?」
「うん!」
ハルキは、自分が使っていた鉛筆を貸してくれた。私が描いた猫を見て、ハルキはとても喜んだ。
私たちは1本の鉛筆で交互に猫を描き、ハルキは私の猫を真似して、かなり上達した。
「じゃ、また明日ね。」
私はそう言ったが、実際に明日が来るかどうかは分からない。
突然の拒絶反応で死んだ者はたくさんいた。私たちもいつそうなるか分からない。
しかしハルキの笑顔は、そんなことすら忘れさせてくれるのだった。
それから毎日、私たちは猫を描いた。ある日、ハルキが新しい友達を連れてきた。
「サヤ姉!さっき友達になった、マリーとテイリンだよ!」
マリーは、人間と狐の合成種。金髪でふさふさの尾を持っている。活発でよく喋る子だ。
テイリンは黒い長髪で、脳にコンピュータが埋め込まれている。性別は不明らしい。少年とも少女とも言えない不思議な容貌をしている。
「今日から、みんなサヤ姉のお友達だからね!」
「よろしくね。」
私が手を差し出すと、マリーはにこやかに応じてくれた。テイリンは笑いはしなかったが、それでも握手には応じてくれた。
この日から私たちは6人になった。
私に気付くと、ハルキは大きく手を振った。
「サヤ姉!おはよ!」
「おはよう。また猫、描いてるの?」
「うん!今日はねぇ、ケイトとシュウも一緒なんだよ!」
ハルキは、共に落書きをしていた少年たちを紹介してくれた。
ケイトは、ブラウンの髪にグリーンの目、整った顔立ちの少年だ。しかし、左掌には大きな目があった。礼儀正しく頭を下げ、はじめまして、と挨拶してくれた。
一方、シュウは黒髪で色白、細身で背の高い少年だ。右腕に包帯を巻いていたが、私には右腕が2本あるのが分かった。シュウは何も言わず、落書きを続けていた。
彼らは外見的には比較的マシな被験者だ。何より顔が原型を保っている者は、何百人といる被験者の中でも数人しかいないと聞いた。
「ケントとシュウはねぇ、ボクのお友達なんだよ!だから、サヤ姉ともお友達!ね?」
ケントはこくこくと頷いた。シュウはまだ落書きに夢中だったが、私は嬉しかった。
友達が出来た。
ハルキの頭をくしゃくしゃと撫でると、ハルキの耳がぴょこっと立った。何て愛らしいんだろう。
「ねぇ、私も一緒に描いて良い?」
「うん!」
ハルキは、自分が使っていた鉛筆を貸してくれた。私が描いた猫を見て、ハルキはとても喜んだ。
私たちは1本の鉛筆で交互に猫を描き、ハルキは私の猫を真似して、かなり上達した。
「じゃ、また明日ね。」
私はそう言ったが、実際に明日が来るかどうかは分からない。
突然の拒絶反応で死んだ者はたくさんいた。私たちもいつそうなるか分からない。
しかしハルキの笑顔は、そんなことすら忘れさせてくれるのだった。
それから毎日、私たちは猫を描いた。ある日、ハルキが新しい友達を連れてきた。
「サヤ姉!さっき友達になった、マリーとテイリンだよ!」
マリーは、人間と狐の合成種。金髪でふさふさの尾を持っている。活発でよく喋る子だ。
テイリンは黒い長髪で、脳にコンピュータが埋め込まれている。性別は不明らしい。少年とも少女とも言えない不思議な容貌をしている。
「今日から、みんなサヤ姉のお友達だからね!」
「よろしくね。」
私が手を差し出すと、マリーはにこやかに応じてくれた。テイリンは笑いはしなかったが、それでも握手には応じてくれた。
この日から私たちは6人になった。
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