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彼の恋人

[154]  高橋晶子  2007-11-10投稿
定時制の生徒達が授業を受けている時、博文は予備校で受験勉強に勤しむ。別々の学校に通う生徒も予備校で受験勉強をしに来ているので、情報交換の場としても重宝している。
予備校には裕介と千聖だけでなく、青海に通う彩子と亜鶴も通っている。こういう時に全く参加出来ないのが桜庭学園の生徒達だ。
「今年、桜庭から国公立大に何人入ったか知りたい?」
「8人でしょ? 博文」
「中道、情報が早いなぁ。現役だけで5人だけど、学校の課外授業だけで旧帝国大に受かる人がいると聞いたら大した実績だよなぁ」
この情報に彩子は驚嘆する。
「1学年100人前後でその実績!? 面倒見の良さをかさにして予備校禁止にして、難関私大にそのくらい受かってるって事?」
「うん。選抜クラスのお陰だって」
博文の返答に裕介と千聖が頷く。
「それだけ公立の滑り止めのまま終わりたくないんだよな」
「はぁ、私立も負けてないね〜」
この様に、修学館と青海の生徒達は(学校側が課外授業を一切やらないために)予備校や通信添削で受験勉強を行っているのだ。
「進路実績の向上を口実に生徒を学校に縛り付けたりしないから、思う存分部活に打ち込められるのねぇ」とは千聖の弁。
生徒には「外の世界」に目を向けて欲しいと願う学校の方針を、博文達はありがたがる。しかし、桜庭の方針には一様に難色を示す。
「恋愛駄目、予備校駄目、保守的な大人達がうるさいから、息苦しいだけの青春なんて御免被りたいよ。公立一本に絞って却って良かった」
裕介の意見に皆が同意する。
とは言うものの……。

機械工学に没頭したい千聖も、薬剤師を目指す彩子も、栄養士を目指す亜鶴も、2年の夏休みに1度会ったきりの、桜庭に通うみくの将来が気掛かりだった。
美大を狙う祥恵も、歴史マニアの州和も、多分同じ気持ちだろう。ファッションデザイナーを目指す佳純だって……。

予備校の授業が終わり、帰宅しても息が休まらない。教科書に目を通して明日の授業に備える。
日々の勉強を大切に、尚且つ「自分」を犠牲にしないのが彼等のアイデンティティーである。

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