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彼の恋人

[225]  高橋晶子  2007-11-11投稿
1時間目の地理の授業―今朝見付けた机の落書きをじっと眺める。
みくの想いを断ち切った2年の冬、みくが言っていた「本当の自分」が博文の脳裏をよぎる。
これは「本当の私」の間違いなのでは? 理解に苦しむ。
悩んだ末に顔文字を付け足してやった。

誰か、本当の自分に気付いて。゜(>△<)゜。

「こんなモンか」

昼休みになって、博文は机の落書きの事を裕介達に告白した。
「ホントにあるんだー! 恋の落書き文通伝説」
「お前が信じてなかったのは意外だなー」
「裕介君、僕は落書き一つで定時制の人と仲良くなろうって下心はないからね!」
ロマンチストの孝政は、こればかりは信じていなかったらしい。机の落書きが恋愛に発展するなんて、宝くじの当たりくじを引く様なものだ。ただ、相手の年齢と釣り合わなかったら……。
しかし、千聖の言う事は無責任だ。
「ただの友達に終わるなら、お互い傷付かないんじゃないの? 同じ性別かも知れないんだし」
「そういう問題なの?」
恋の落書き文通伝説に込めた下心が砕かれた臨は呆れるしかない。しかし、考え様によっては充分有り得る話だ。
「定時制の人と落書きし合って最終的に結婚してしまうのって、本当にあるんだよ。しかも下心一切抜きだぞ! 俺はそんなモンに憧れないけどな」
「へぇ〜」
博文に向けられる臨達の視線が怪しかった。

夕刻。
定時制の授業が始まった。
進学や就職を希望する生徒には、随時面談を行うのがここの方針だ。進学希望者は大抵専門学校を希望する。
休み時間の合間に担任と二者面談が行われる。
3時間目の休み時間に担任に呼ばれた佳純は、人気のなくなった隣の教室で面談に臨む。担任は言葉遣いに品性を感じさせる女性だ。
「ファッションデザイナーを目指すにはどういう道を進めばいいのか、考えていますか?」
「専門学校の方がいいかなと。その中でも、課題が厳しい所が自分を強くするんじゃないかと、親と一緒に複数の学校の資料を見比べながら話し合いました」
「鈴木さんはアルバイトで学費を賄っていますけど、専門学校でもアルバイトで学費を払う覚悟はできていますか?」
「……」
佳純は次に続く言葉がなかなか見付けられなかった。

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