携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> お守り

お守り

[274]  ふく  2007-11-11投稿
あなたの足音が遠くから聞こえる
私の好きなあなたの足音
顔を見なくても覚えて耳から離れない足音
『ごめん待った?』
『ううん。』
この瞬間が大好きだった

これが最後の日
この幸せな瞬間も二度と来ないだろう

あなたは今の生活を断ち切ってこの街を出て行くことを決めた
本当にこんな日が来るなんて

未来を語るあなたの目がとても輝いていて
夢を見るあなたの姿がとても大きく映る
私はただそれを見て笑顔を崩さないように必死に耐えるだけ
また会える日が来るのは限りなくゼロに近いけど
さよならは言わない
言えば終わりになるし
言うのが辛い

今の生活に何の未練も無く先の未来だけを見ているあなたに今私の想いを伝えたいけど
あなたはきっと困った顔をするだろう
『着いて来いよ』と言われたら迷いも無くすべてを捨てるけど
きっとあなたの夢を邪魔してしまうだろうから

だからこの想いは私の中に封印するんだ

それに
すべてを捨てる覚悟は出来ていたけど
悲しくもこれは私の片思い

ずっと上の空であなたの楽しそうな顔もぼやけて見える
あなたのうれしそうな声も良く聞こえない
何を話しているのかも頭に入らないし今は聞きたくない

そんなこともお構いなしにあなたが隣で笑っているからずっと下を向いて歩いた

あなたの未来には私はいない

良く分かったから
『頑張ってね』が私の精一杯の最後の言葉

『ありがとう』
あなたの眩しい笑顔が私の心を締め付ける

別れ際に渡そうと決めていた
あなたがこれから頑張れるように
たくさんの幸せが訪れるように
私の有りったけの想いを込めて買ったお守り

ずっとポケットの中で暖めていたけど

あなたの無邪気に笑う顔を見たから

いつ渡そうかドキドキして
何度も右手で触っていたけど
結局渡せなかった

渡したかったのに
私の想いが少しでも伝わったはずなのに


でももう分かったんだ

あなたの中に私を残してはいけない

感想

感想はありません。

「 ふく 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス