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降る雪のように

[151]  ふく  2007-11-11投稿
人混みの中であなたを見付けた
この偶然が嬉しくて胸が高鳴ってあなたへ向かう足取りが加速する

その瞬間心臓がズキンと物凄い音を立てた

あなたの隣には知らない女の人
状況を直ぐに飲み込めなかったけど良く見ると繋がれた手が見える

目が合った
足が止まる

早くこの場から逃げ出したくて背を向けた
とにかく足早に前へ進んだ

あなたが私の名前を呼んだけど
目が合ったから気付くのは当たり前だけど聞こえない振りをした

何を言えばいい
『彼女?』
そんなの見れば分かる
『何で教えてくれなかったの』
そんなに仲が良かった訳でもないのにイチイチ報告する必要もない
『おめでとう』
そんな言葉を言ってもきっと笑顔が引きつる

明らかに可笑しい行動に恥ずかしさで一杯になったけどもう後には引けない

ただ無心で走り出して駅まで向かった

この街を
あなたのいるこの街を今すぐに出て行きたくてただただ走り続けて電車に乗り込んだ

久々に走ったせいか
見たくなかったあの情景のせいか
上手く呼吸が出来ない
目を閉じれば意識を失いそうになる

あなたの隣にいたかったし私もあなたと手を繋いで歩いて見たかったのに

考えれば考えるほどショックは大きくなるけど涙も出ない

虚ろな目で眺めた窓の外には雪が降る

そのシチュエーションがまた私を虚しくさせる


思うことはただ一つ

さっき見た光景も
この胸の痛みも
情けない今の自分も
この降る雪のように
消えて失くなればいいのに

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